銀ブラ
銀ブラなんて、今どき死語かしらと思いつつ、久々に銀座を一人で歩いた。
行きたいところが2か所あったので、本日実行した。まずひとつは、ここ若山美術館。そこで開催されているというこのインスタレーション展というやつ。
金さんの映像作品を見られるようなので、行ってみたかった。
そしてもう一か所は、このブログ仲間のStantsiya_Iriyaさんが書いておられた湖北省料理のお店だ。
stantsiya-iriya.hatenablog.com
場所が同じ銀座で、上記の展示は昼からなのでまず食事。
湖北省料理すなわち、今話題の武漢の料理だ。武漢には縁あって何度か言っている。
最後に行ったのはいつだっけかと、この日記をさかのぼるともうこんな前かという2013年だった。
この時は、武漢に行くのに香港から列車の旅をしようと思ったが、ちょうど国慶節で新幹線の切符が買えずに苦労していたのを思い出した。
ともあれ今日の店は「珞珈壹号 (カッカイチゴウ)」というお店。Stantsiya_Iriyaさんは、あえてお店の名前を書かれなかったようだが、店名のヒントがあったのですぐに分かった。
特に希望してないが、案内された席はStantsiya_Iriyaさんと同じだった。窓から見える景色が彼の写真と同じだった。昼時なので、お手軽なランチメニューがいくつかあったが、せっかくなのでランチコースを頼んでみた。これもStantsiya_Iriyaさんと同じで、追体験をしたようなもの。ただ最後のデザートは違っていた。では改めて順に紹介。
まず前菜。
これは、右端のちくわがStantsiya_Iriyaさんの時と同じだが、あとは違った。ちくわにかかっているのはチリソース。真ん中は干し肉を料理したもので、これを一口口に入れると口の中が武漢になった。つまりあちらで食べた料理の雰囲気(味)がしっかり口に広がった。左端は、スパゲッティのように見えるが、これは豆腐の干したもの。中国料理にはよくあるやつ。味はケチャップではない。ちゃんと中華味。
次のスープはStantsiya_Iriyaさんと同じ。
スペアリブと蓮根のスープ。見た目より柔らかい味で、蓮根は大きなかたまりが入っているが適度に柔らかく煮込んであるので、食べやすくいい味だった。
次も同じかな。
もちもちした米のドーナツを上のマヨネーズで食べるのだと説明を受けた。
左はそのまま食べるのだが、もち米チャーハンを豆腐の皮で挟んだものだった。
そしてゴマだれの麺。
もちもちした面に、ねっとりしたゴマダレであえてあり、かなりヘビーな味だった。上にかけてあるパクチーやピーナツ、漬物の細切りなどが食べやすくしてくれる。ただこういう細かい硬いものは、歯並びの悪い私の歯に挟まる。
そしてデザート。
お店の人は「暖かい飲み物です」と言って出してくれたが、これは知っている。武漢で「米酒(ミーチュー)」といわれるもので、日本のアルコールなしの甘酒と同じ。
ただここの米酒は、少し茶色いので玄米で作っていると思われる。コメの皮も少し残っていた。そして何よりとても甘い味。武漢で飲んだものは白くて優しい甘さだったが、ここのはかなり甘い。お茶がないと厳しいくらい。
お茶おいえば、中国式ならまず茶葉を選ぶかと思いきや、ランチタイムのせいか暖かいウーロン茶が日本式に飲み放題だった。
この店があるのが銀座5丁目。そこから1丁目までブラブラ歩く。文字通り銀ブラして若山美術館へ。スマホに地図を出してそれを頼りに到着。小ぶりなビルの4階だった。4階には常設の展示品があり、今日の来意を告げると5階のスタジオに案内された。
スタジオでは、金大偉さんによる映像がスクリーンに流されていた。音響もセットされている。この映像が立体映像なので、特殊なサングラスのようなメガネを自分の眼鏡の上からかける。すると、スクリーンに映る花や、波や、岩がこちらに飛び出てくるように見える。山や雲や木々は遠くに。
幻想的な音楽とともに、そうした映像が次々に流れる。時々漢字や満州文字のような字が流れる。
感想を言うならば、美しい自然の山、森、川の流れ、花々、波、こうした美しい地球を壊すなよ、と迫ってくるように思えた。まさに環境破壊に異を唱えることを芸術で訴えかけているように見える。考えすぎかもしれないが、金さんの芸術表現にはそうした主張があるところがいい。
案内には展示とあったので、チラリと見るつもりがこのフィルムは長い。暖かい暗い部屋で、ほかに客がいないので一人貸し切り状態でボーっと見ていたら先ほど食べたものが重たくなってきた。面が膨れてきたかな。
というわけで、腹ごなしにさらに京橋へ。その昔、京橋にあった本社に通っていたころと、変わったところを見ようかと。本社のあったビルの隣の明治屋はそのままの建物で、地下のレストランもあるようだった。
昔通ったビルは建て替えられて、すっかり今風なおしゃれなビルになっていた。
よく行った焼き鳥屋とか天ぷら屋ももうないだろうと思いつつその辺りに行ってみると、なんとそこだけ木造二階建ての建物のまま残っていた。焼き鳥をコースで食べることができるので、昼に海外からのお客さんをちょっとしたランチに連れて行ったり、夜には飲み会をしたりしたものだった。通りかかると、ちょうど夕方に向けての仕込みをしているところだった。よこの天ぷらの「秀」も中は見えなかったが白い暖簾が健在だった。
銀ブラの後は、新宿のマザーハウスに寄った。ここは、フェアトレードをモットーにして立ち上げたバックの店。新宿勤務のころに場所が近いので、新宿店に時々行った。そのころからの付き合い。覚えているだけで3、4人目の店長さんが、今回2月でいなくなるという挨拶状をくれた。明日までは店に出るということだったので、次どうするのか尋ねがてら寄った次第。そうしたら、新たに仙台に店を出すのでそちらに赴任するという。新しい場所でお店を仕切るんだろうな。頑張ってほしい。と言わなくても頑張るだろう。
寄ると何か買うものだが、買うものがない。そういえば年末に息子が財布をなくしたので、財布を求めて帰った。買った後から、本人からもう新しいのを買ったとメールの返信が来た。自分で使うか。