天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「中村天風 怒らない 恐れない 悲しまない」池田光

 中村天風さんの本は、何冊か読んでいる。考え方や心の持ち方の問題が中心であるが、なんとか法、なんとか法と元気になる方法があることを書いてある。が、それは具体的にどのようなことをすることなのかなかなか書いてなかった。


 この本は、そこのところが具体的に書かれていて面白い。信念煥発法だとか安定打坐などいろいろ。そして最後の方にはクンバハカ法という一種の呼吸法がでてくる。これは図解してあるのでわかりやすい。
 呼吸法。そう、この呼吸法は孔子学院で曽紅先生に教わっている呼吸法と通じものがある。というかほぼ同じ。「ヘソの下(丹田)を凹ませて息を吐いて、肛門しめる」という表現は全く一緒だ。つまりこれがホントに体にいいことなのだろう。
 中村天風さんは当時の不治の病いである結核から、インドの山奥で呼吸法を教わって元気になって90を越す長寿を全うした。自然と一体になることで、心と体をコントロールしてそういうことが実現できた。
 夏目漱石は、日本を見る見方は本質を見る目であり、それゆえに憂いをかかえて小説や講演で主張もしていたものの、思いつめるあまり病気になって早死にしてしまった。
 天風さんの場合には、人間の個としてのありかたを、元気になる方法を含めてグイグイ迫ってくるが、何をするかはそれぞれの問題だ。天風さん的に言えば、何をしてもいいのだろう。自然の摂理に従った生き方をすればそれでいいのだ。
 ただ、自然の摂理に従うといった途端、少なくとも原発は無いだろう。自然のありかたを壊してしまうものは認められないはず。近代以降、文明の力で自然を制御しようとしていることがそもそも大きな間違いで、地球環境の悪化につながった。産業革命以降、現代までそうした活動で経済発展してきた。
 その結果の最悪のものが、制御できないエネルギーである核だ。
 それにしても、呼吸法が似ている。曽紅先生の方は、中国の太極拳の流れもあるので、動作が流れるようでひねりを入れているところが特徴だ。ひねりを入れることで背骨が自然に矯正される。
 この本には、食事の注意も書いてあり、そこも曽紅先生と通じるものがある。クンバハカと呼吸法を真面目にやれば、高血圧も薬を飲まないで克服できそうな気がしてきた。ちょっと試してみよう。