「ひとはなぜ戦争をするのか」 アインシュタイン/フロイト
さて2019年もあと3日。今年の10大ニュースは何か考えているが、その前に今年読んだ本の紹介が未了のものを書いておこうか。
掲題のタイトルの本を探していたら、この本も出てきた。つまり同じようなタイトルの本がもう一冊あるが、そちらは学術論文的。
自分は、アインシュタインやフロイトなどの物理学者や心理学者の本を読むことなどありえない生き方をしてきたが、たまたまこんな本に出会った。
しかし難しい哲学書ではなく、タイトルにある質問をアインシュタインがフロイトに投げて、フロイトが答えるという形になっている。
手紙文なので読みやすい。そして、解説もちゃんとついている。
この書簡のやりとりのきっかけは、1932年に国際連盟からアインシュタインに対して
「今の文明で最も大事だと思われる事柄を取り上げ、一番意見を交換した相手と書簡を交わしてください」という依頼があったことによる。
そこで彼は、「人間を戦争と言うくびきから解き放つことはできるのか?」というテーマをフロイトにぶつけた。そのやり取りがこれ。
フロイトの回答には、人間の性癖には戦争、暴力に向かうものがあることを指摘しながら、最後には、
「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩みだすことができる!」という言葉で結んでいる。
訳者のあとがきや、解説が二人。中でも二人目の解説の斎藤環氏の説明が分かりやすくうなずける言葉で綴られていた。
そうか、自分が推進している気になっている文化交流はやはり平和への礎になりうるのだ、と意を強くするところであるが、日本は、権力欲に目がくらんだ人間、文化の文の字にほど遠い知性にかける人間が大きな顔して政治家やってる間はお先真っ暗。早く何とかしなくては。