久々に出かけた憲法講座。憲法の条文について、自民党の改悪条文との比較検証をしようとして前文にとどまっていた。
次は天ちゃんを書くところ、令和問題をどう書くか考えているうちに時が経った。順番にこだわらず、タイムリーに書くことでいいか。
ということで、今回は本日行った市民憲法講座から憲法14条と21条について。
今日の講座は、先般中止されたあいちトリエンナーレの「表現の不自由展」について、表現の「不自由展の再開を求めるあいち県民の会」から、山本みはぎさんと言う方の話を聞いた。わざわざ名古屋から来てくれた。懐かしいなごや訛の話し言葉を聞いた。
この問題は、ニュースでご存じのところだと思うが、ラグビーが始まったりしてメディアは十分にフォローしていない。アホのハギューダがこの補助金を取り消したニュースは出た。とんでもないことだ。
まだ問題は終わっていない。発生から時系列に整理すると、まず実行委員長は大村愛知県知事。内容は津田芸術監督がしきっていた。
7月31日にこの展示会の新聞発表がされると、直後から脅迫や抗議が多発した。
8月2日には、河村名古屋市長が会場を見学。中止を県知事に申し入れる。
8月3日、大村知事と津田監督が記者会見で中止を発表。理由は、脅迫や抗議で職員が疲弊していると。実際の電話は100件程度。
大村知事は、河村市長の発言を憲法21条でいう検閲と取られても仕方がないと批判。
8月9日、芸術祭を検証する委員会の設置を発表。
検証委員会を2回実施し、9月21日、公開フォーラムを実施。25日に中間報告。
一方市民の動きは、中止された直後の8月4日から中止抗議のスタンディングを連日続け、大村知事に再開要請を出している。8月14日、24日と集会。9月22日にも集会。
大村知事は、9月25日再開をする方向であることを発表。しかしハギューダが補助金を出さないとした。怒
ここで憲法条文を見ておく。
抵触する条文は二箇所。第14条の言う思想信条による差別と、21条の表現の自由。
憲法第三章 国民の権利及び義務
第14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない。
2項 華族その他の貴族制度は、これを認めない。
3項 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴わない。栄典の授与は、現にこれを有し、または将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
第21条 集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する。
2項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
そもそも「表現の不自由展」は、いずれかの場所で、表現すること(展示)を拒絶された作品が、展示されるものだった。代表的な作品名は次の通り。
平和の少女像(問題のやつ)
遠近を抱えてpart2
韓国人写真家・安世鴻「重重」
落米のおそれあり
償わなければならないこと 等々
中に昭和天皇の画像が入ったものもある。
ということで、こうした自由に展示できないこと。展示物に為政者が制限をしようとすることが明らかに憲法21条に違反している。展示の可否に差別が出ることが、14条にも違反する。
アベピョンががたがた言ってる改悪案ではこの部分どうなっているか。
第14条の方は、差別してはならない例示に「障害の有無」をこれ見よがしに入れている程度。
第21条はダメ。表現の自由としたうえで、
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保証する。
と、現行条文を踏襲したうえで、
2項として 「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにこれを目的として結社をすることは、認められない。」
3項は 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。と現行踏襲。
この2項を入れると、元の条文は意味をなさない。公益とは何か、公の秩序を害すると誰が判断するのか。恣意性がありありとしている。
さて、この展示会の再開は大村知事が宣言した以上、何らかの形で行われるだろうが、そこに何らかの制限が入ることはあり得ない。
ハギューダの文化庁の補助取り消しは、明らかに憲法14条違反だ。これも大村知事は訴訟で戦う宣言をしている。この人自民党なんだけど、自民党にもまだまともに事を運ぼうという人がいるんだ。
もう一つ、今回の問題で「電凸」という問題への対処が必要なことが明らかになった。「電凸」という言葉自体、自分も知らなかったが、電話突撃が略されてデントツとなったものらしい。今風に言えばネトウヨががたがた言うことで、これをどうかわすかということだ。事の是非も内容もしらないネトウヨが調子に乗って、あるいは報酬をもらって、電話攻撃したり、ネットに書き込みをしたりする。
これも表現の自由だと言わせない、そもそも歴史修正主義を横行させていては、アジアの諸国の信用は得られないし、世界の平和も望めない。これではまずいのだということを分からせる活動が併せて必要。