[社会] 明日は国慶節
昨日の日曜は、我が日中友好協会八王子支部で午前中の理事会に続き、中国映画「活きる」を見る会をやった。開始前30分は、例によって私の二胡演奏。
この映画は、日中戦争終了後国共内戦のあたりから、1960年代の文革あたりの激動の時代に中国の庶民がどのように生きてきたかを描いている。何で今頃と思ったが、そういえば明日が中華人民共和国の建国70周年の記念日になる。建国以来の時代を振り返るにはいい映画だったといえる。
改革開放政策前の時代なので、庶民にとってはロクなことは無かった。と今にして言うような時代だった。「大躍進」で数千万の餓死者を出し、またぞろ「文化大革命」で多くの犠牲者が出ただけでなく、中国社会が疲弊して、家族以外は人を信じられないような社会になってしまった。
そういう中で活き抜くたくましさがテーマなのだろうが、共産党が悪者になって見えることから、中国で公開されることは無かったらしい。
今は随分変わった。昨年お友達になった中国の留学生の世代は、生活感覚がとても現代的。日本やアメリカの娘たちと変わらない。紅衛兵などという言葉は、過去の歴史の中のもので関心が無い。
世界第二の経済大国になった。そして一帯一路と名付けた政策で、世界に覇権を広げようとするまでになった。
こういう国の体制ができてから70年というわけだ。
建国当時の人口が5億4176万人。昨年時点の人口が13億9538万人。この間の国内問題としては、大躍進と文革に加えて天安門事件がある。
この民主化を求める運動は、終わっていない。現在は香港でその戦いが続いているともいえる。台湾もしかり。
そういえば、今日台湾人の知人が、「中国共産党は革命をしていない」ということをネットに書いていた。1911年の辛亥革命時点では共産党は無かった。1921年に立ち上がったものだ。労働者の世界を構築するということで多くの仲間を増やしていったが、日中戦争で日本と戦ったのは国民党であり、共産党は逃げ回っていた。日本の敗戦後の内戦で勝利して、今の体制になった。というわけだ。
しかしながら、出来上がった体制はスターリンの影響も受けて独裁主義的なもので、この流れが今も続いている。
一方台湾すなわち中華民国の建国記念日は10月10日。10が二つ並ぶので双十節とも呼ばれる。
こちらは孫文を建国の父として、正統はこちらだと主張している。建国70年どころの騒ぎではない。革命後100年以上の民主主義の歩みがあるのだと自負している。
中国の政治的な問題に、我々日本人ががたがた言うことは無い、と思われがちだが香港で起きている民主化の問題は、ひとり中国だけの問題ではない。民主主義が行われる世界を勝ち取るのだという運動である。
日本のありさまは民主主義社会ではない。惨憺たるものだ。腐った政権が税金をわが物のように使い、官僚をあごで使う。トランプのペットだというアベピョンはアメリカではトランペットだと言われて笑いもの。マスコミは民主主義を行う動きを報道もしない。
しかし、日本も昨日再認識した表現の自由を求める運動が功を奏している、という現実もある。やはり、民主主義を行うのは我々自身と言う自覚が必要。
頭の悪い政権やその手下たちがヘイトの対象としているお隣の国の方が、よほど民主主義を実践している。台湾の友人の言葉にもよく耳を傾けて、日本で国民が民主主義を実践する参考にしたいものだ。
以上が今日の感想。やっていることは、またデイサービスの施設に二胡をもって行ってボランティア演奏していた。