天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国映画「鉄道遊撃隊」

 久々に現代中国映画上映会に行った。上映はDVD5本立てで朝から晩までだが、中に既に見た映画「白毛女」などは省いて掲題の一本だけ見てきた。一度に何本も見ると、頭の中で混ざってしまう場合があるので、これでいいのだ。
 この映画は1956年の作品で、原作は劉知侠という人の小説。当時の痛快小説としてベストセラーになったので、映画化されたとのこと。作成された時期は、中国が日中戦争に勝利し、更に内戦で共産党が国民党に勝利して中華人民共和国の建国を果たして間もないころだ。
 内容は、日本軍が国民党軍を従えて共産党八路軍と戦っているころから、日中戦争勝利までで、日本軍の兵站の要となる鉄道を襲って共産軍の支援をするために組織された鉄道遊撃隊の話。「飛虎隊」と呼ばれて、地元の労働者が共産党からの指令により活動した。
 当時、中国の庶民生活の中に土足で踏み込んできた日本軍の様子が、中国側から描かれている。日本軍を演じるのも中国人の俳優で、日本軍の会議の様子などは全て中国語。戦闘シーンで日本軍の隊長などの命令や掛け声などが日本語だが、発音は少しなまる。言葉は中国語、日本語を問わず全て映写会のほうで日本語字幕にしてある。
 最後は日本が敗戦となった後も現地では戦いが続いており、日本の鉄道の防衛部隊の責任者が戦に負けて「ごめんなさい」を言う場面で終わる。つまり日本の鉄道防衛隊VS飛虎隊こと鉄道遊撃隊の一種のアクション映画的な面がある。映像が列車での戦い場面が多く、洋画などでもよくあるものと似ていて見せ場があるのが面白い。
 この時期以降、中国は大躍進、文化大革命と暗黒の時代に入ってゆく。この映画の監督も売れっ子監督で生きていれば97歳だが生死不明とのこと。最後の作品が1965年とのことなので、文革の最中に命を失ったか、生きていても以降は活動不可能な状態だったのだろう。