天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国映画「追憶の上海」

 中国电影「紅色恋人」。久々の中国映画観賞だった。追憶の上海。有名な映画で、現代は紅色恋人となる。この映画は以前見たことがある。現代中国映画上映会ではいい映画や、会員のリクエストがあれば何回でも上映するらしい。今日の観客はいつもより多い気がした。
 舞台はオールド上海。日本との戦争が本格化する前、上海は西欧各国の租界で外国人の天下みたいな時期だった。政府国民党が共産党を弾圧している頃の話し。現代のとおり紅色というのは「共産党の」という意味で、直訳すれば共産党の恋人ということになる。
 共産党アジテーターのヂンにあこがれた主人公秋秋(チュウチュウ)は、ヂンの偽装夫婦相手として上海に行く。目的はヂンがかつて国民党の兵士として負傷したときの後遺症を治すためだった。そこでこの映画の物語を回想している役のアメリカ人医師ペインに会う。彼からヂンの薬を手に入れようとして出会う。ペインはヂンの様態を見に行くが、この二人が本当の夫婦でないことを見抜く。ひた向きな秋秋にペインはひかれて行く。
 しかし、秋秋はヂンの失った妻の身代わりとして、彼が後遺症で妄想にあるとき亡き妻に成りすまして抱かれ、子供を身ごもる。
 この秋秋の父は、共産党を摘発する秘密警察管であるが、実は以前は共産党員であり、生き延びるために仲間を裏切った過去がある。父はヂンを追いかける過程で結局秋秋を自分の手元に戻すが、彼女のお披露目パーティーで何と彼女の手により銃で撃たれてしまう。さほどに彼女は共産党とその仲間を愛していたのだ。逮捕された秋秋を救うため、ヂンは医者ペインのもとに現れ、自分の逮捕と引き換えに彼女を釈放するよう司法取引を依頼する。
 ヂンは昔頭部に受けた銃弾が頭に残ったまま、後遺症の発作に悩んで生きながらえるより自分の子供を身ごもった秋秋を救いたかったのだろう。取引は成立し、ヂンが銃殺されるときに、秋秋は女の子を出産する。しかし出産のときに秋秋は命を失い、ペインがその子を引き取って育てる。
 時は移り、中国共産党が勝利し、人民皆が共産党を礼賛する光景を見て、ペインは秋秋とヂンの愛情物語は正しいことだったのだと思う。その後彼はアメリカにもどり、娘は中国に残ったが1990年になって彼女はペインが回想録を書くのを手伝うためにアメリカへ渡った。その回想録がこの映画、というわけだ。
 ではその回想録は本になっているのか、と思って帰宅して調べたが本には無かった。最後の説明的な部分も創作だったのか!amazonで検索しても出てくるのはこの映画のDVDだ。よくできた映画だ。