天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

アチュアルの夢

 犬も歩けば棒にあたる、みたいな感じで当たった映画を見てきた。

 八王子で、てんぐシネマという団体が定期的にドキュメンタリー映画を見る会を催している。その案内に出ていたのがこの映画「アチュアルの夢」とうして行こうと思ったかと言うと、アマゾンの原住民の暮らしが見えるような感じだったので、Facebookで「興味あり」にしておいた。随分前のことだが、10日が他に用事が無いことが分かった時点で「参加」にしておいた。それが午前中にリマインダーが出てきたので、そうそう行って見るかということで出かけた。

 場所はいつも日中友好協会で理事会やイベントでお世話になるアミダステーション。いつも日中友好協会で映画会をやるときは主催者側だが、今日はその同じ場所で知らない人たちが映画をやっている。

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  それで映画はというと、16人の日本人が2016年に南米のエクアドルに旅をして、ペルーとの国境に近い地域に住んでいるアチュアルと呼ばれる先住民族を訪ねたときのドキュメンタリーだった。1時間程度の短いもの。

 端的に言えば、アマゾンの森の原住民の生きざまを見てきた記録映画。

 キャッチフレーズに、「持続可能な社会」とか生きざまという言葉があったりしたが、1時間の中でメッセージとして明確なものが伝わらなかった。画面の中で解説する言葉が、大切なことを言ってたのかもしれないが、そうだとすると映画の作りの問題かもしれないが聞き逃してしまうような流れだったと言える。

 行った人たちが映画の会場に来ていて、映画の後でその人たちのトークがあり、更にそのあとで観客にグループ討議と発表をさせるという、まるで小学校の道徳の時間のようなことが行われた。最後に全員の集合写真。

 観客の多くは、現代文明に酔いしれるよりも、人間の根源的な生き方を追求するタイプの人たちだった。そういう人達が、人類の根源そのものの生き方をついこの間までしていた人たちにあって感動しているの図ではあった。

 確かに、根源回帰は悪くない。そういう生活をしている部族と仲良くするのはいい。しかし、現代社会の大きな問題を解決するための具体行動ではないように思える。精神的基盤としてそういうもの、シャーマニズムさえ受け入れる考え方は是であるが、そうれが「そだねー」と言ってるだけでは、日本の腐った部分に直接メスが入らない。

 原発が無くても生きられるのはもちろん、電気もガスも水道も無い環境で命をつないできた人たちがいることを知るのはいい。しかし現代人の生活様式は後戻りできない。

 アチュアルの人たちは、今や洋服を着て、外からの訪問者に自分たちの手工芸品を売って、現金を稼ぐようになった。お金の使い道は、教育と医療だそうだ。

 医療にお金がかかると言うことは、こういう人達からもお金を取るのか。そして教育とは部落から出て教育を受けてくるわけで、現代社会の生き方が浸透してきていることになる。

 こういう人達(先住民)を、昔の侵略者のように排除したりしないのはいい。それは進化した現代人にとっては当たり前。その感覚の延長線上に隣の国とお互いに共存共栄するにはどうしたらいいか、という発想で現代の問題に対処しようとする態度があるはずなのだが、いまだに、特に日本の政治は時代錯誤もいいところだ。そういう政権を排除する、という運動の方が喫緊の課題ということでしょう。