天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

共生の「くに」を目指して 赤堀芳和

 大晦日。昨年までは、年末ゴルフとうそぶいて遊びに出かけていた。今年は二胡に転向でゴルフから足を洗ったと宣言した手前、在宅。
 年の終わりに一年を振り返ると、自分は大した出来事もなく、孔子学院の二胡教室の先生が変わったことをきっかけにそこには通わなくなったことくらいか。先生の教室に直接通い出してちょうど1年が経過した。

 二胡に熱中したおかげで、左手の指の関節が腫れて痛むという症状が出た。これは整形外科の先生によるとヘバーデン結節という名前の症状で、治療法がないとのことだった。が、知り合いの整体師の方が腕、肩、首と施術してくれたらとても楽になった。すぐに指が治るわけではないが、いわゆる腱鞘炎を起こしているのが原因らしく、そういうマッサージとか自分でも指を伸ばす訓練をすると具合がいい。だんだん治ってゆく感じがする。
 自分のことはさておき、今年はひどい年だった。原発再稼働と戦争法案が暴力的な採決で可決されたことになっている。政治に直接かかわることが無かった自分だが、この夏から国会前のデモや集会には何度か足を運んだ。地元では八王子駅北口で開かれた集会にも参加。少しでも、広く世の中の無関心層にこのままではまずいことになるぞということをアピールしたいという思いだった。
 何がどうまずいのか、勉強しない人には分からない。自分の生活が確保されて、このままで十分と思っている人は現在の政治をなんとも思わないだろう。今の政治が国民のためになっていないことの証は、福島の原発事故だ。あれは想定外の天災だから仕方がないということでは決してない。
 今の政治のまずさをわかりやすく解説してゆくことをやるべきだろう、と常々考えていたらそういう解説をしてくれるわかりやすい本があった。それがこの本。「働く者が報われる社会に」という副題がついているが、ここに書かれていることすべて、120%共感、同感。
 共生の経済ということについては、宇沢弘文氏の本を何冊か読んで学習したが、そこにも書かれていたスウェーデンに代表される北欧の経済がいいお手本だ。この本もそのことについて具体的に仕組みの違いなどが解説されている。また明治以降の日本がどういう国であったかも、田中正造の活動と生きざまに触れてあるべき論が展開されている。
 2015年の最後に読んだ本として、とてもいい本に巡り合った。