天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

格差社会

 一年の初めに手にした本は、宇都宮健児さんの「反貧困」という本。半生の記として、ご自身がサラ金業者を相手に生活苦にある人たちのために戦ってきた半生を振り返る本だ。
 昨日書いた赤堀氏の本も、日本がひどい格差社会になっていることから説き起こしている。そして、弱者のための政策が行われず、真の民主主義が行われていないことを北欧との比較で証明している。こちらの本が、日本の有り様を分析しているのに対し、宇都宮さんの本は、現場で庶民のための戦いを実践してきた記録だ。
 赤堀さんの本で、付箋をした箇所を順に振り返ってみたい。
 最近、日本で6人に一人の子供が貧困に陥っているというNHKの報道があったが、子供が貧困などという表現をして問題を子供の問題だけにすり替えている。親が貧しいからそういうことになるのだろう。
 この本ではそこのところを次のように書いている。
 「特に母子家庭の半数が貧困に陥っており、パートの掛け持ちで一日中働いても生活費が稼げないという状況になっている。このことは当然子供の貧困率を上げてしまう。18歳未満の子供の貧困率は16%で、・・・」
 「2013年の最低賃金は746円になっており、大体ベルギーの5割、フランスの6割、アメリカの7割弱になっている・・・」
 物価の違いがあるにしろ、あの格差大国となってしまったアメリカよりも低い最低賃金で日本の弱者が働いている。
 かつてアメリカの大学生は、学費を親に頼らず自分で働いたり奨学金や学生ローンで学費をまかなっているらしいので、えらいという話があったが、実はとんでもないことになっている。「返済にゆきづまり、学生から即ホームレスに直行する若者がたくさん出てきている」らしい。
 日本も、新自由主義経済のおかげで「教育や介護といった公の仕事まで金儲けの対象にしてしまい、・・・教育に関しては奨学金が金融事業と位置付けられてしまったことがある。・・・2004年に日本育英会日本学生支援機構と改編され、友利子による返済の割合が増え民間資金が流入、返済金の強化がはかられた。・・・裁判所を使った支払い督促は2004年に200件だったものが、2011年には一万件に増加した。この制度はアメリカを真似たものだった」ということだ。
 そして、卒業して就職しても労働者の40%が非正規雇用になってしまっている。
 戦後、焼け野原からみんなで頑張ってこの国を復興させ、高度経済成長で経済大国の仲間入りをしたと思ったら、市場主義原理による新自由主義というものをアメリカから押し付けられて、その結果格差社会となってしまった。アメリカのように貧困家庭の男子は、軍隊に行くことで生活の糧を得るしかないようになる前になんとかしなくては。これは何がまずかったのか、よく考えて是正する必要がある。