天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

34 対決安倍政権-暴走阻止のために 五十嵐仁

 著者の五十嵐仁さんは、今年はじめの八王子市長選挙に立候補した人だ。経歴を見ると年齢は私と同じだった。選挙では残念ながら当選はしなかったが、市民運動に支えられた選挙戦をよく戦ったという印象がある。

 今の首都大学、当時の都立大学から法政大学の大学院で政治、労働運動などの研究を続けてこられて2014年に法政大学を退官された。
 本のタイトルは、ズバリ安倍政権を批判するもので、内容もその通り。安倍政権の何が悪いのかをわかりやすく解説している。今の政治に問題意識の無い人にこそ読んでもらいたい本だ。
 こういう人が市長になると八王子もますます革新的な面白い街になるのだが、残念だった。昨日はそれでも我々は八王子アクションと称する行動で、明日の国会前集会への事前決起集会のようなことを行い、市内をデモ行進した。
 この本は昨年の3月初版で、これ以降に八王子市長選があり、参院選におまけに舛添降板に伴う都知事選挙まであった。がしかし結果は、憲法を守ろうという立場の負けになっている。あり得なーい。ゆでガエル達は選挙にも行こうとしない。
 しかし、結果としての得票は、体制派が様々なインチキ臭い手段も使ったという情報が飛び交っているが、そのような手で票を確保した結果のことであり、実態としての庶民の意識と行動は若者を中心として変わりつつあるというのが現状だ。とこの本の流れからもわかる。
 五十嵐さんの研究分野から、今の労働組合の弱体化が警告されている。昔のようなストライキを構えた労働運動は影を潜めた。自分の会社もそうだったが、大半の労働組合は企業と癒着しており、労組の幹部が出世コースのような会社がいくらもある。やはり日本はおかしいのか。ドイツのVW社も労組のチェックが甘くて、あのような不祥事を起こしてしまったということもあるが、グローバル企業で勝ち組を狙うビジネスマンは結局そういう行動に出るのだろうか。
 今だけ、金だけ、自分だけ、よければいいという風潮。
 五十嵐さんは、学生時代に学生運動ゲバ棒でやられて片目を失明された。あとがきにそういうことが書かれている。全共闘と名乗る連中にやられたそうだ。その恩讐を超えても安倍政権を打倒するために、1点での共闘を呼びかける。
 そんなに安倍内閣は悪いのか、というとそんなに悪い。自衛隊を海外派兵したり、古い原発住民の反対をよそに再稼働させたり、沖縄に至ってはアメリカすら見直しを考える基地をゴマスリで国民の税金を使って新基地まで建設している。
 このままでは、戦前の情報統制されたひどい状態に前戻ってしまう。
 この本には何がどう悪いのか、流れを阻止するためにどうすればいいのか、基本的なことが整理されている。もっと売れればいいのにと思う。