天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

1円の本はこれ

先日1円の本があることを書いたが、どれが1円かというとこれ。「世界で一番いのちの短い国」山本敏晴著。これはいい本だと思う。以前この人の本は「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ」という本を読んだ。もう4年前になるがここに書いてあった。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20111129#1322574516
山本さんは国境なき医師団で活躍するお医者さん。4年前に読んだきっかけは、アフガニスタンで活躍するペシャワール会の中村医師の著作を読み続けており、その関連で、同じアフガニスタンで国際協力をしている同じく医師の山本氏の本を手にしたのだった。そこで二人を比べると、中村医師の方は完全に現地の人々の生活に入り込んで、ともに悩み、ともに働く姿勢で現地の人々から信頼もされているのに比べ、山本さんの方は大きな組織に属して組織活動の一環として動いているように見えた。どちらかという上から目線的にも感じたものだった。

しかし、今回こちらの本を読んでみると、氏の心意気と体を張っての活動の様子がわかる。世界で一番いのちの短い国とはアフリカの西海岸にあるシオラレオネという国だ。氏が国境なき医師団に参加して最初の派遣先で、この本も活動記録として書いた最初のものだった。私がこの本で氏を再認識したのは、次の下りだった。
「考えてみてほしい。アフリカの国々で内戦が続いているのは、元をただせばヨーロッパ諸国が世界中に植民地という名の境界線を引いたり、奴隷制度を導入した為である。
現在のヨーロッパ諸国にはさまざまなNGOがあり、アフリカに援助を送っているが、これもよくよく考えてみなければならない。こうした行為は、場合によっては『人道援助』という一見キレイな名前の皮を被った、文化的な侵略になっている可能性があるのだ。
どういうことかというと、アフリカには彼らなりの、数千年に及ぶ文化・風習・歴史があるにもかかわらず、国際協力という名前の、西欧型資本主義による開発が行われ、西洋型医学の押しつけがあり、男尊女卑の撤廃や家庭内暴力の禁止などが『現地の実情を無視した形で』行われているともいえるのだ。」
この言葉を読む限り、決して上から目線の施し貢献ではないことがわかる。
アフガニスタンで今も頑張る中村医師や、ルワンダで頑張っているワンラブプロジェクトの真美さんは、その地に根付いて活動しているのに対して、山本医師は国境なき医師団に属して問題の大きな地域、すなわち医療が緊急に求められる場所で組織的に動いて改善をしていく。そして感心するのは、自分の任期が終わったあとに医療体制が元に戻ってしまわないように、現地スタッフの育成や衛生教育をしていること。そのために、現地の言葉も話せるように頑張っていること。
今はどの地域で活躍しているのだろうか。