「ペシャワール会報 No111」より
アフガニスタンで活動する中村医師の支援団体であるペシャワール会の会報のことを少し書いておこう。
まずこの会報の一面の絵は甲斐大策氏が描いている。また、甲斐大策氏の文章も載っているが、内容はあくまでもアフガニスタンの人々の一面を書いたミニ短編で、中村医師の活動とは直接関係が無い。しかし、アフガニスタンの人々の心意気などを感じるにはとてもいい文章だと思う。
主たる内容は、中村医師の現地レポートとか現地で支援活動をしている、またはした人の感想など。それに、向こうで一緒に活動しているアフガニスタンの人々のメッセージだ。今回は、二人のアフガン人の言葉が掲載されていたが、いづれも中村医師への感謝の言葉で結ばれている。それはそうだろう。
色々な記事の中で気が付いたのは、最後のページの事務局便りで、撤退モードに入った外国軍の不祥事のこと。コーランを焼いたり、無用な一般人殺害など。こういうことをした兵士は、大抵ドラッグをやっていたということだ。外国軍の若い兵士たち自身、好んでここに来たのではなく、やりきれない思いでいたに違いない。
のべ250万人を超す外国兵が送り込まれ、その大半が心身の傷を抱えて帰ったはずで、帰国後に問題を起こさないはずが無いと書かれている。これは、ベトナム戦争に送り込まれた当時の兵士とまったく状況は同じだ。
さらに、ここの軍事行動に使われた費用は約100兆円と膨大な額におよび、そのアフターケアにはその倍の額が必要とされる由。一方中村医師の用水路活動により、自給の道を得られた現地の人達は50万人におよび、そこに寄せられた善意のお金は10数億円だそうだ。
何をか言わんや。