天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 東トルキスタン

 犬も歩けば・・・。昨日スポーツクラブの帰りに、久しぶりにブックオフに立ち寄る。何か面白そうな本は無いか。このブログで紹介されて気になっている本が並んでないかなと。
 何気なく手にした105円の本2冊。新書版である。そのうち1冊がこれ、
「中国を追われたウイグル人−亡命者が語る政治弾圧」水谷尚子

 今日は暑いので外にもです、二胡の練習をした後で、一気に読んでしまった。ここには著者が直接会って取材した6人の亡命者の話が載っている。語り手が直接体験した話ばかりで、真実味がある。彼らは、中国の新疆ウイグル地区に住む民族であったが、中国共産党の員族同化政策の名のもとに行われたウイグル族の人達に対する弾圧をはねのけ、東トルキスタンとして独立をしようと働きかけている。
 読んでいると、本当はそういう過激なことをするような人達ではなかったようだが、中国側が彼らをテロリストと決めつけて弾圧した為に、その民族意識が強化されてきたようだ。表紙の写真のラビア・カーディル女史は「中国共産党が私を強くした」と語る。今は米国に亡命している。うまく亡命ができたことだけでも、数多くのウイグル人の中で運のいい方だ、ということが分かる。彼女の場合は、アメリカのライス国務長官(当時)の働きかけで中国政府が米国亡命を認めたということらしい。
 それにしてもこの本はすごい。中国におけるウイグル族の問題はあまり知られていなかったが、その実態を当事者へのインタビューと言う形で浮き彫りにしている。彼女自身、この本の出版後は中国への入国を拒否されているようだ。
 ここに出てくる人達はみな、少し何かの能力・才能にひいでたものを持っている人が多い。その彼らが中国政府の意にそわない行動を取ると弾圧されてしまう。彼らは一様に、海外で暮らせているだけよいと語る。国内にとどまって、拷問の挙句死んでいった仲間がどれだけいるか。
登場人物の6番目は東京大学の留学生だった。あらぬ疑いをかけられ、11年の刑を受けた。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080501/1209619774
 筆者によると、これはまだ現在進行形の独立運動だ。中国は、チベットとこのウイグルをどうしてゆこうとするのだろうか。
 ちなみに、このウイグル地区で中国は96年までに46回の核実験を行った。そのためにこの地域に住む人達に多くの放射線被害が出ている。