41 中国を追われたウイグル人
中国好きのまっちゃんとして始めたこのブログだが、中国と付き合ううちに、その陰の部分も見えてくる。見たほうがいいのだろうが、この本に書かれている状況はかなり負の部分だ。
表紙の写真に写っているラビア・カーディル女史の本を以前読んだことから、この本を手にすることになったわけだが、この人ばかりではなくウイグルの人たちで自分たちの文化を守ろうという動きをする人は、国家反逆罪のようなことで弾圧を受け、国外に避難している。
私が現在勤務している場所の近くに、ウイグル料理屋があるが、あそこに集まる人たちは日本に逃げてきた人たちも多くいることだろう。
中国には、少数民族出身者が優先して入学できる民族大学がいくつかある。そういう風な政策もあるが、いざ中央の方針に沿わない動きを見つけると徹底した弾圧を加えるように見える。政府の大きな方針は、民族の融和であるが、現場すなわち実社会では漢民族対その他の対立が存在する。特に人種も文化もトルコに近いウイグルの人たちは、東トルキスタンとして独立していた時期も一瞬あったし、民族的にも誇り高い人たちなので、漢民族に抑圧されている状態には我慢ならないという人も多いのだろう。
そういう中国の中央に対して過激な思想の持主でなくとも、ウイグル人であることで平等の機会が与えられない事実もどうやらあるようだ。外からは実にわかりにくい問題であるが、現実に国外にいなくては独自の文化を守る活動がしにくいことも確かのようである。
ウイグルでなくとも、中国ではいまだに民主化の動きに対して抑圧が加わる。労働者階級が作った中国共産党であるはずなのに、官僚機構の弊害の方が大きいということなのだろう。
また、格差があるから富裕層が富裕層でいられることもある。民族間格差ということもあり、漢民族以外の人たちが商売が上手で富裕層や支配階級の仲間入りをしようとするとどうも必要以上の弾圧があるらしい。わかりにくくむつかしい問題のなので、引き続き機会があれば事実確認をしていきたい。