天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

暴走する新自由主義

 

 表紙の帯に堤未果氏の写真が載っているので、ジャーナリスティックな軽く読める本かと思いきや、重かった。書いているのはポール・クレイグ・ロバーツという米国の”経済学者”としておこう。訳本なので読みにくいと言うこともあったかもしれないが、エッセンスと感想を簡単に述べるなら、米国発のグローバル企業というのは、生産拠点を人件費の安い海外に移し、そこの人たちを雇い、低コストで製品を製造して販売する。利潤が増えて、儲かった分は株主と経営者に配分されるが、米国の労働者は職場を失って格差が広がる。

 これって今の日本が米国追随でこおむっている現状と同じ。トヨタのような企業は、米国に生産ラインを作って、米国人の雇用に貢献している。それで製品も現地で売って儲ける。燃費も性能もアメ車よりいいのでよく売れる。それでも米国の労働者の問題解決にはなるはずもない。

 指摘はリーマンショックの頃の動きにも及ぶ。生産業の経営者や株主だけでなく、ウォールストリートの連中の錬金術のような仕業。仕事を失って住宅ローンが払えなくなった債権をまとめて金融商品として売り出す。デリヴァティヴとかいうまやかし物が、自分がまだ現役の責任者でもあった頃に、金融機関の端くれでもある自社にも影響していたはず。その部門の責任者ではなかったので、実際どのていどの影響があったのか、無かったのか知る由もないが、あの頃からJAPAN moneyがあてにされていたに違いない。

 さて話は、UEの問題にも及ぶ。ギリシャがデフォルトとなり、次はイタリーかなどと当時は話題にされていたが、どちらも国は無くなっていない。この本の著者は、

ギリシャ債務危機」は「大量破壊兵器」であり、他の方法では追及できない計略をすすめるための手段だ。とばっさり評価する。

 少し前、日本は借金大国でギリシャのようになるなどと、まことしやかに国民を煽って消費税導入をした悪者がいたが、事情は全く違う。

 いずれにしても、格差の拡大が進み、大半の若者たちは自分の生活だけに精一杯になってしまった。

 おれでも米国の大学では、イスラエルのガザ侵攻に反対するデモがくり広がられ、多くの逮捕者も出る様相になているが、日本の大学のキャンパスは静か。昔、ベトナム戦争反対のデモに参加していたものとしては歯がゆい。それでも知識人(高齢者)主導のイスラム大使館前の抗議集会は予定されている。

 アメリカがイスラエルを支援してきた理由は何か。といえばやはりお金。ユダヤ人と言えば金儲けが得意な民族で、彼らがロビイングをしない訳が無い。「ユダヤ時は金儲けが得意」という評判は、かつてその一部と取引をした自分はその評判を否定しない。

 ロビイングの対象は政治家であり、庶民が(人間が)平和を願う心は金で変えられない。はずだけど。日本の若者はなんだっけ、今だけ金だけ自分だけの世界では平和はおろか地球が持たないことに気付いてほしい。

 問題は中東だけではないのは当然。ウクライナミャンマーの問題も世界が声を上げてゆく問題だろう。

 そういいながらも自分の生活は続けていくしかない。写真は昨日、東中野でみた花。タチアオイっていうのか。あまりきれいなのでパチリ。そろそろ長野の様子も見に行きたい。