天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

山の郵便配達

 この映画を見てきました。月に一度の日中友好協会のイベントが復活。映画会の前には二胡を披露することにしており。今日も3曲ほど弾いてみました。最近練習しているのはコテコテの二胡曲なので、一般受けのする歌謡曲から3つ。

 ・萍聚 ・月亮代表我的心 ・女人花 の3曲。f:id:mm3493:20200927173411p:plain

 ともあれ映画。会場は人数制限をして椅子の間隔を広げ、途中1回休憩を入れて窓を開けて空気を入れ替える。というコロナ対策をして実施。

 映画は1999年の作、とあるが原作は文革が終わった後の農村風景を表現したもの。落ち着いた生活が戻ったということか。

 山奥に郵便を届けたり発信物を預かったりする郵便屋さんの話。原題は「あの山、あの人、あの犬」とあるが、犬もかなり重要な役柄だった。

 引退すると決めて、息子が初めて父親から荷造りした郵便物を受け取って出かける日、いつも父に同行していた犬が一緒に行こうとしない。配達と言っても、朝でかけて夕方帰る仕事ではない。山から山へ、3日がかりの徒歩の旅。息子の初仕事の日、犬が父親から離れないので、その日は父も同行することにした。いわば引き継ぎの旅。

 犬は「次男坊」と呼ばれている。長男が人間で次男が犬というわけ。それほど家族の一員になって働いている。行先の役場で犬が吠えると、郵便が来たというので人々が集まってくる。険しい道で犬が吠えると、崖の上からつたって上るためのロープが投げられてくる。そこに待っている人がいたのだ。

 集落ごとにある役場にまとめて配るのが主だが、役場まで足が悪くて来られないお婆さんの一人暮らしの家には、出稼ぎの息子からの手紙を直接届ける。おまけにその老婆は、眼が悪く字が読めないので手紙を読んでやり、返事を代筆する。

 郵便配達だった父親は、家にいないことが多いので少年時代の息子は父になついていなかったが、この旅を一緒にする中で初めて「おとうさん」と自然に読んだので、父親は喜びを隠せない。橋のない川の浅瀬を、息子が荷物を担いで向こう岸に運んでから、父親を背負ってわたるシーンなどほのぼのとした感動を誘う。

 バスが通るところへはバスに乗ればいいではないかと素朴な疑問を息子が投げかけると、時間が一定しないバスをあてにしないとか、郵便ルートは違うのだなどと父親の説明を素直に受け入れる。

 川に日本では見ないような大きな水車が三つもまわっていた。日本であるとかないとかよりも、テクノロジーのかけらもない、のどかな風景と人々のふるまい。唯一息子や若者が持っている携帯用のラジカセから聞こえる音が、新鮮だがあまり夕景になじんでないように見えた。

 最近、テクノロジーは格差を助長することはあっても、人を幸せにするものではないということを考えていたので、今日の映画の風景はとてもよかった。

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 写真は一時休憩してるときに撮ったもの。本がいっぱい並んだこの場所は、お寺の境内の位置づけで、延立寺縁側とされているアミダステーション。市民活動に開放されている。

 来月は、731部隊の写真展を行う予定。