毎度のことながら、広州では美味しいものが食べられる。
二日目から帰るまでの食事を一挙公開。
二日目は、知り合いの孫ちゃんと深センの楽器城に行く。まず彼女に頼んでおいた買い物をタクシーでホテルまで運んでくれた。それを受け取ってから、車で広州東駅jに向かう。ここから、香港のホンハム駅まで急行列車がつながっている。昔からよく利用する列車で、香港の手前が深圳。駅名は深圳北駅。ここまでは高鉄という新幹線も通るようになり、昔ながらの広州東駅からの列車は多少混雑が緩和されているような気がする。
駅について、切符を買ってから列車を待つ間に朝ご飯。
米の面、即ちビーフン。上にのっているのは、豚のレバーとか腸。それにクコの実と葉っぱ。サッパリした汁面。カップの中は暖かいコーヒー。
深圳ではお目当ての楽器城をじっくり見てから、遅い昼食。夜は広州に戻ってしっかり食べようというので、軽く飲茶にした。ちっとも軽くないが。お店はここ。
草冠に繁と言う字に楼。間口は狭いが、中は結構広い。飲茶の店なので一日中営業している。なんでも深圳の飲茶店では一番の評判らしい。
どのテーブルにも、わきにお茶道具がセットされている。
茶器をアップするとこんな感じ。
金色に輝くやかんの下にはアルコールランプで、お湯が冷めないようになっている。これ欲しい。選んだ茶葉は罗汉果(ルオハングオ)。日本語では羅漢果(ラカンカ)。字は同じで中国は簡体字。甘くて喉によい。
点心はまずこれら。左から青菜、真ん中の黄色い饅頭は中に卵の黄身で作ったクリームのような餡が入っていて絶品。孫ちゃんが餡の作り方を話してくれた。随分手の込んだ製法で美味しくできている。右上が定番のエビ餃子。手前はふんわり蒸しパン。
飲茶といえば、必ず食べる鶏の脚。柔らかくてコラーゲンたっぷり。味付けは色々あるが、やはりこの飴色の醤油煮がいい。オイスターソースと醤油で煮込んだ味。
そして忘れてならない小籠包。
軽くこんなところで、広州に帰る。
二日目の夜は、辛い物を食べようということで、重慶料理のいわゆる火鍋。
真ん中が辛くない椰子の実ベースの煮汁。周りが辛いたれ。この写真は鍋が運ばれた直後で、具材はまだ何も入れてない状態。赤い汁の中に浮いているのは、バター。四角い黄色いのはバターに見えるが、他の茶色の塊は冷凍されている重慶鍋の素の塊。これらが溶けて汁になるのを待てから具材を入れる。
この重慶鍋の素を作る工程が動画になっており、孫ちゃんに見せてもらった。とても手の込んだもので、色々なスパイスをバターで固めたものということか。
とにかく辛いので、この花茶をセットで飲む。菊にバラの花びら、ジャスミンの蕾、山査子の実などが氷砂糖と一緒に茶碗の中に入っており、これに赤い服を着たお兄さんが1メートル以上もある長い注ぎ口のやかんでお湯を継いで回る。
この缶詰には油が入っている。書いてあるのは店の名前。この店特注の油の缶詰。
何に使うのかと思ったら、激辛の食べ物を一旦この油にくぐらせてから食べると辛さが緩和される。というので、各自一缶づつ自分の取り皿に入れる。
注文した具材は次のものたち。
私の好きな羊肉、新鮮牛肉、牛の胃袋、骨抜き鶏の脚、アヒルの血を固めたもの、豚の脳みそ、じゃが芋、などなど。
飲み物は酸梅湯という甘口の梅ジュース。
さて翌日は、いつも孫ちゃんにつき合わせては申し訳ないので、一人で行動。
朝食は北京路を歩いて、少し外れたところの小さな食堂で云吞面。ワンタンメンの箏だが、広州のワンタンメンは細麺でサッパリしていて、来ると必ず一度は食べたい。
それから地下鉄に乗って、広州一大きい書店で買い物。どうしても二胡の本を手にする。広東音楽の曲と速弾きの指南書を買った。
お昼はホテルの近くに戻って羊肉の串焼きという看板に魅かれて入った店で、蘭州名物の牛肉面と羊を食べた。
この牛肉面、昨年神田で食べたものと見た目はほぼ同じ。肉の量がこちらが多かった。そして待望の羊の串焼き3本。
食後は、近くをうろうろしながらまたしても孫娘のチャイナドレスを買い、自分用にも買ったが、少し小さめだった。
夜は今回最後の夕食。昼に歩いたときに牡蛎のニンニク焼きの店を見つけていたので、まっすぐにそこに行ったが、小さな店で中は人がいっぱい。とってもいい匂いがするが、混雑する中でうまく注文できるかどうか。また牡蛎なので生焼けだったりしてお腹を壊しては最悪。どうせなら落ち着いて座って食べられる店を探そう。
中国版の「孤独のグルメ」の主人公になった気分で、店を探した。
結局入ったのが、初日に孫ちゃんと鶏の海鮮鍋を食べた通りの先にある潮州料理の店。通りは屋台の食べ物屋目当てに人がいっぱい。
この写真は孫ちゃんと一緒の金曜に撮ったもの。何でもない金曜の夜にこれだけ人が集まる。手に何か持って食べ歩きしているひとたちが見える。ハナ金の様子。それが土日となると、こんな写真も撮ってられないほど人があふれて、ぶつかりながら歩く。
そんな通りに面した潮州料理屋で、牡蠣鍋と潮州名物という粽3個を食べた。
鍋の味は、高菜の酸味と牡蛎の味で、スープを全部飲み干したいくらいいい味がしていた。一見何も見えない鍋の中に牡蛎がゴロゴロ。
翌朝は帰る日の朝で、ホテルの1階にある小さな軽食屋に行ってみた。
20元でお粥とチャオと呼ぶもち米のご当地料理。米粉で作った皮を巻いてたれをかけてある。プレーンはチャオのみだが、色々なものを巻き込んである。自分は羊肉の細切れが入ったものを頼んだ。
これが今回の最後の食事かと思ったが、空港でチェックインを済ませたら昼過ぎ、出発までたっぷり時間がある。空港の出発ロビーの様子も前から変わっている。
洒落た中国服のお店もある。
昼時なので、ゆっくりと何か食べるかと歩き回ると、飲み物中心のカフェなのに家鴨肉ご飯があるのを見つけた。
カップの中は東方美人という烏龍茶。両方で99元。空港の中はもはや値段はインターナショナル。中国の安さはエンジョイできない。でも美味しいので満足。
横にゆで卵が添えてある。ように見えるが、がぶっと食べてみると皮が付いたまま半分にした塩卵。
見た目がそっくりでも味が違う。日本人と中国人のよう。
てなことを考えながら、ゆっくり時間をかけて完食。お茶も湯を継ぎ足してもらってしっかり最後まで味わう。
おかげでお腹いっぱい。機内食など食べないぞ、と思っていたが出てきたのを見ると、ご飯の上にうなぎが細切りにされて二列だけ乗っていたので、それは食べてご他は残した。アイスやサラダやフルーツは無論食べる。
食事に関してはいい旅だった。「食は広州にあり」を実感した。元気なら、このためにまた出かけるということありだな。と思うくらい。