天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

アカデミズムとジャーナリズム

 昨日は、生涯学習センター(クリエイトホール)という所で、年に一度の生涯学習フェスティバルがり、例年日中友好協会八王子支部も参加している。



中国の書画や切り絵,写真などを飾り、中国茶のお店に来てもらい中国茶を味わってもらい、販売もする。3年ほど前からそこで二胡を弾くと、二胡の音色につられて客の入りがいい。
 今年は、体験できると称して、二胡も体験用のものを持って行き、子供達や希望者に実際に触ってもらった。興味を持つ人は多い。
 てなことをしてから、夕方には母校に出かけた。久々に大隈講堂でのイベント。
 「アカデミズムとジャーナリズム」というキーワードに興味を持って行った。アカデミズムとジャーナリズムの役割は違うと思っているので、そういう若干アカデミックな話が聞けると思っていたら、行って見ると「アカデミズムとジャーナリズムに何ができるか」というタイトルで、この二つは並列になったシンポジウムだった。


 主催は安保法制に反対する学者の会で、早稲田大学ジャーナリズム研究会と安保法廃止を求める早稲田大学有志の会が協賛ということだった。
開会のあいさつは、東大名誉教授の広渡清吾氏に続いて、早稲田大学で南米の研究をしているこの会の世話役の後藤雄介教授。進行役は立教大学西谷修教授、パネラーは松本剛琉球新報社)、三浦まり(上智大学)、竹信三恵子和光大学)、間宮陽介(青山学院大学)の四人。そぜぞれ順に「沖縄」「女性」「労働」「市場の変化」という切り口で話があり、その後若干の意見交換とまとめ。

 詳しい内容は書ききれないが、気になったポインを少し。


 開会のあいさつでは、沖縄の基地問題に触れて、安倍政権では未来に向けて希望の持てる社会が築けない。後藤教授は、安倍政権が続くので、この学者の会の仕事に時間をとられる。早く退陣させて本来の南米の研究に戻りたいというジョーク。
 琉球新報の松元氏の沖縄の話では、翁長の話から入り、辺野古の問題は「移設」ではなく「新基地」の建設を日本が行っているという根本に触れる。玉城デニーさんの当選に貢献したのは女性の動きと、出口調査では創価学会員の7割に及ぶ人が玉城さんに投票していることが分かっているという話だった。全国の創価学会の人は公明党を支持するのではなく、まともな仏教徒に戻ってほしい。
 女性差別の問題は、最近の話題で医大の合格差別で、あれは女性が3割を超えないようにとの調整が働いているとのこと。つまり議会や会社など、人が集まるところで女性が3割を超えると男性社会ではなくなると言われており、実際そういう現象になるらしい。meetoo運動が日本で盛り上がらないのは、加害者に対する罰則がないため。強姦の犯罪人である山口敬之など、アベトモなので、逮捕すらされていない。これひとつとっても日本は完全にどうかしている。アベのせいで。
 男女平等を言うなら、政治の意思決定の場面で女性が3割以上になる必要がある。現在の自民党の女性議員は、お飾りで市民から乖離している人間ばかり。

 労働問題では、労働組合の弱体化、マスメディアのニュースは社会的圧力(政権)によって決まるなどの指摘。人材派遣会社と政府との癒着。そして学生の就職率が高くなったと政府が自慢するが、30%は1年以内で辞めている実態。つまり労働環境が劣化している。それを「働き方改革」という聞こえの良い言葉で、残業代を払わない雇用を進めている。雇用主側の都合の良い改革であり、労働者の働き方が改善される内容ではない。

 市場の変化という切り口では、いろいろな話題があったが、そもそも民営化とは業者を競争させることで効率化(コストダウン)するという言い方だが、競争することが本当にいいのかという投げかけがあった。
 ここでの話ではないが、今出ている水道民営化は、ロンドンで失敗しているという事実がある。ロンドンの場合は水道料金に上限規制を設けているにもかかわらず、従来の1.5倍になった。日本の場合には上限規制すらない。
 免震構造機器の会社の検査不備や、自動車会社の検査不備も問題も競争環境の中で発生した問題に違いない。無用な競争は製品の劣化を招く結果になっている。

 政治そのものが経済化されている。大学も評価に応じて助成金が決められるが、その評価とは就職率とかだそうな。アベトモ学園は全く別だろうが。
 日本で学術面でのノーベル賞が取れるような環境がなくなっているのは、大学が競争の結果、研究力が劣化しているため。
 かくのごとく、人間のあらゆる領域が市場化されてしまっている。水の問題や、頭の中つまり著作権も必要以上にお金の問題にすり替えられている。
 以下論議内容等。
 そもそも社会の作り方が問題。女子の医学部入試の差別の問題にしても、医者の働き方の問題がある。そういえば、先日犬HKでめずらしくいい報道があったが、無給医の問題を取り上げていた。大学病院では、給料のないまま一般の医者と同じ働きを求められる無給医がいる。まったくおかしな問題。
 これからの世の中を託す子供をどう育てるかはとても重要な課題だが、この学校もアメリカでは点取りマシンを作る私塾に売られている。ニューヨークでは、子供たちがデモで”I'm not testcore!'と掲げているとか。スウェーデンですら20%の公立学校が売り渡されているらしい。そもそも大学は歴史的には、パトロンがお金を出して研究者に自由に研究をさせたことに始まる。パトロンとは金を出すが口は出さないものであるが、今の日本政府は口は出すが金を出さない。
 歴史的といえば。Historyと書くが、これは His Story (彼の物語)であり、Her Story とは書かない。これからはHer Story も残してゆくようにならなくては。
 安倍政権は早急に終わらせなくてはという点は、皆が一致するところであるが、これが安倍でなくてもこの間にとられた政策、起こったことをどう見直すかを併せて考えなくてはならない。そもそも安倍の話しはコロコロ変わるが、軽すぎる。尊厳という観念を持ち合わせていない。人間の尊厳を考えるべくもない。
 世の中はツイッター上のフェイクニュースで動く軽々しいものになっている。先日無事帰国されたフリージャーナリストの安田純平さんを、自作自演だといった奴がいて、何の根拠も確認しないでそれをまた広める奴らがいるという状態。ウソを見抜こうとしないで、見抜く力もなく嘘つき政権に容易に追随する。
 余談だが、労働環境の悪化で亡くなった電通社員がいたが、そもそも電通は政府のお仕事を一挙に引き受け、社員は政界や官界の子弟がゴロゴロしている。彼らはまともに働く能力がないので、ちゃんと入社した有能な社員に大きなしわ寄せがきている。その結果の出来事だという話を聞いた。
 フェイクニュースには、我々もツウィッターでどんどん押し返すことも必要だという意見も出たが、我々高齢者の中にはLineもうまく使えない人がいるから、これはかなりむつかしい。
 いずれにしても、民主主義、主権在民なのであるから、声を上げる運動を大きくしていかなくては、日本人はおとなし過ぎる。