天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

前立腺がんは怖くない−最先端治療の現場から−穎川 晋

 この本を手にした理由は、現在この本の著者である前立腺の専門医である穎川先生に前立腺がんの患者として診てもらっているためだ。と罹病していることをカミングアウト。

 この先生は慈恵医大病院の泌尿器科の部長で、ここに行ったのは、会社の先輩で、この病気の先輩でもある方に勧められた為である。が、ご本人にはまだ二度しかお目にかかっていない。予約なしに出かけると、ほかの先生が対応してくれる。
 地元の病院でPSA検査の値が異常に大きく出て、紹介状を書いてもらって、慈恵医大病院まで出かけた。PSA検査の次は実際にがん細胞があるか、生体検査を行う。生体検査は簡単な手術を伴うが、実行するのは若い医学生が少し年上の先輩のアドバイスを受けながらであった。検査後しばらくしてから排尿時の激痛を訴えたら、おなかに穴をあけてカテーテルを入れられた。これも当直の先生が対処してくれた。
 その1週間後、その傷跡が痛むので病院に行き、当直の先生に処置をしてもらったが、その晩管が外れてしまった。これは大変と翌日また出かけたときに穎川先生がいらして、その時点で生体検査の結果、がんがいくつも見つかったことを知らされた。また、自分で排尿ができるならカテーテルは要らないといってつけずに帰宅した。その後、骨に移転しているかどうかを見るアイソトープ検査を行った。また来週にはMRI検査と検査が続く。
 最初に地元の病院に行ったのが中国旅行の前。それからずいぶん時間も経たような気がするが、この本によると前立腺がんの進行はゆるやかで、すぐに命にかかわる病気ではないことがわかる。それだけに他のがんよりも研究が進んでいないこともあるらしいが、米国を中心に新たな治療法などの研究が進んでいる。
 癌は今や不治の病ではない。早期に発見すれば、いくつかの治療法が選択できる。
 自分の場合は、早期発見ではなかったらしい。トイレが近いのは老化現象、と気にもしていなかった。そういうのは前立腺肥大症かもしれないという話を聞いて、病院に行ったのだった。人間ドックの時にPSA検査をしていれば、何らかのアドバイスがあったかもしれない。今やせん無いことではある。
 病気になった場合に、自分の病気がどんなものか知っておくのは悪くない。どころか、それは大切なことだろう。そういう意味でもこの本はとても分かりやすく、これから選択すべき治療法についても明快になった。ひょっとすると著者の先生は、患者一人一人にすべて説明しつくす代わりにこの本を書かれたのかもしれない。(笑)