天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

母−オモニ−姜尚中

 本の整理をしている。少しまとまったところでブックオフに持って行ったりしている。本の値段が決まるのを待つ間に追加で買った本がこれ。以前、新聞広告で目にしていた本が108円で並んでいた。
 一気に読んだ。

 政治学姜尚中氏の本。彼は東大の教授だったころに売り出した、という印象があったのでてっきり東大出身かと思っていたら、自分の先輩だった。大学院は政治研究科なので政経学部時代は政治学科だったろう。なんだそうか。1年だけ先輩で、同じキャンパスを歩いていたのか。確かに当時起きた事件のことにも触れられていた。
 彼は、テレビなどでは冷静なコメントを飄々と述べるので、在日韓国人という立場を何も気にしていないようにも見えた。それは大変な思いをしたことがあったにちがいないが、知性でアウフヘーベンしているように見えていた。
 実際そういうことだろうが、この本を読んでみると大学時代までは永野鉄男という日本名でいた。いまでこそ世に知られた有名人の仲間であるが、子供の頃の在日の立場での苦労はあった。そのことがこの本を書かせたといってもいい。
 自分は、仕事で中国に関わって以来、中国及び中国人に深い関心を持つようになった。会社の研修などで、同和問題とか在日韓国人の問題は知り、差別ということの理不尽とそういう動きへの嫌悪感を持ってはいたが、在日の人たちの苦労とか生きざまがどんなだったか具体的には知るすべが無かった。この本は、姜尚中氏の母への思いと同時に、そういう暮らしの実態を表現している。
 韓国および北朝鮮は、ここのところ大統領の問題や核実験云々、日本人拉致問題と話題が絶えない。韓国経済も空洞化している。今になって韓国研究もないが、もうすこし姜尚中氏の本を読むなりお隣の国の庶民がどういうことなの知っても悪くないだろう。この秋に、二胡の先生が韓国公演をする予定があるので、久々に出向いてみるのもいいかもしれない。
 国民性というものを感じるが、姜尚中氏の言動を見ているとやはり知性を磨くことが世の中の平和につながると思う。
 知性の無い政治家が権力を握る国が、再び不幸な目に合わないように、明日の憲法記念日が世々続いて、今から100年先もこの日が憲法記念日であるように願う。