天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

NHK-TV カラーでよみがえる東京

 取り立てて予定のない休日。建国記念日。なんでこの日が建国記念日になったかということは置いといて、朝寝坊をして遅めの朝食を食べたら、珍しくテレビの前に座り込んで掲題の番組を見た。
 カラーでよみがえる東京と題して、古い映像をリアルに見せるために色付けして見せていた。映像は着色であっても、その当時実際にそういう色彩の場面があったことは事実なので、その効果は確かにある。
 さて内容だが、東京の街を捉えた映像の連続なので、関東大震災の前の、東京を西洋と並ぶ都市にしようといくつかの赤煉瓦の建物や石作りの建物が並んだころの映像から、現代にいたる様々な場面があって興味深かった。
 この間の出来事としては、関東大震災、2・26事件、第一次世界大戦日中戦争、太平洋戦争、戦後の東京オリンピックなどがある。「不死鳥都市の100年」というサブタイトルがあるように、映像で残っているのはここ100年くらいの話。この間に何度も壊滅的な打撃がありながら復興して現在の繁栄につながっているという趣旨だろう。今や100年前に生まれた人は何人もいらっしゃる。昨年の調べでは6万人近くの人が100歳以上だ。
 この番組では、NHKにしては珍しく重要なことが話されていた。この100年の間にいくつかの戦争を体験した日本であるが、その最後の日中戦争の前後の様子(変化)がとても大きい。1964年は東京オリンピックのあった年である。開会式の行われた国立競技場で、そのたった20年前には学徒出陣の壮行会が行われた同じ場所だ。
https://www.youtube.com/watch?v=cGDN8LBawoM
 当時の私は愛知県の蒲郡市に住んでおり、はるか東京で行われているオリンピックを白黒のテレビで見ていた。その開会式と20年前の学徒出陣の壮行会の両方に参加されてた作家の杉本苑子さんは、20年前にはこんな状況を想像もしなかったと語る。それもそうだよな。
 それよりも重要なメッセージが番組の中にあった。永井荷風氏と映画監督の伊丹万作氏の言葉だ。永井荷風は、日本人は長いものにまかれていればよしとする国民性があることを指摘し、伊丹氏はお国は国民をだましていた、ということであり、だまされる方も責任があるということを言っている。
 この100年の間に戦争のほかに、関東大震災と3・11の東北大地震があった。映像は、これらの災害から復興してきた日本をたたえるかのようなものだが、この二人のメッセージは現代にあてはめて考えてもまさにそういうことが進行していて、このままでは20年後がどうなっているのか危うい状況だともいえる。
 イスラム国を巡っての最近の動きは危ない。テロ防止法案に山本太郎氏が賛成しなかったことで、氏に対する非難がネット上にあふれた。テロの定義がはっきりしないままこういう法案が通り、政府の意に沿わない人は皆テロリストとされてしまう可能性があることを危惧する声は少なくない。かつて、体制に批判的な言動の人たちは「アカ」として逮捕された。
 安倍首相がイスラム国を刺激する発言をした時点では、官邸はすでに日本人が虜になっていることを知っていた由。はなからこの二人を救出する意図はなく、アメリカの動向に呼応して軍事行動を起こすためにテロリストを印象付けるために利用したといえなくもない。
 産経新聞には、復讐を煽るような記事を書いた記者がいてネット上でたたかれている。もってのほか。こういう記事に騙される人たちも少なからずいるだろう。目先の出来事に反応するだけ。長いものに巻かれて、おとなしく体制に従っていればいいという国民性に永井や伊丹は警告を発していた。今も全く状況は変わらない。気を付けて情報を見極め、必要な声をあげてゆくことをしないとまたぞろ戦争に突入してしまう。
 平和憲法を守り、軍事行動を容認するような動きには反対の意を表明しなくてはならない。二人の日本人がイスラム国の犠牲になったことから感情論でいつの間にか戦争容認という動きに鈍くなってはいけない。

<今日の癒し>
https://www.youtube.com/watch?v=Mdz7pcxICRs

Yangjin Luma, a legendary woman from Tibet, sings out the voice of Heaven, the voice of earth and the voice of your heart. The combination of western folk instruments, such as guitar, banjo, and mandolin, along with natural live recording and Tibetan mantras bring you an extraordinary listening experience, leading you to the holistic integration where man and heaven are one.