天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

ガイサンシーとその姉妹たち

 日中友好新聞の折り込みの中に、ガイサンシーというタイトルでDVDの紹介が出ていた。見るとその元本があったので、ネットお取り寄せで買った。

 今年の夏に、盧溝渠事件から77周年の集いというイベントに参加したが、そこでは平頂山事件の被害者訴訟を行った大江京子弁護士の話を聞いた。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20140707
 中国の戦争犠牲者の救済に立ちあがった日本の弁護士の取り組みを聞いて感動したが、こちらは慰安婦訴訟に係る記録の本である。
 著者は、班忠義という日本に留学していた中国人青年だ。
 ガイサンシーとは「蓋山西」と書いて、中国の山西省一の美人という意味だ。 この本を読んでいる間中、私は胸騒ぎのようなものが止まらなかった。従軍慰安婦なんてものじゃない、一般人を強制連行して強姦所に閉じ込めていたのだ。 従軍慰安婦というのは、お金目当てで軍隊に同行したのだから同情の余地がないという輩がいる。確かにそういう人もいたかもしれない。しかし、韓国人女性の場合は強制連行されていったケースが多い。
 この山西省の例は、それよりももっとひどい。おまけに、日本軍の犠牲になった人達は救済されるどころか、周囲からつまはじきにされる辛い生活を何十年も続けて生きてきたのだった。
 著者の班さんは何度も山西省に足を運び、実際に被害にあった女性たちにインタビューをしてきた。これは本だが、その様子を映像に捉えたDVDがあるわけだ。犠牲になった彼女たちは、こうした活動が始まってようやく過去を語り始めた。ガイサンシーと呼ばれた人も、日本での訴訟のために招かれたものの親戚の反対などで日本行きを果たせないまま、体の状態が悪化して亡くなってしまった。班さんもその人には直接会うことが叶わなかった。
 時々中国で、日本人とみるとお金をとろうとする残念な人達に遭遇することがある。確かに昔の日本の侵略は悪かったが、もはや関係も無い我々から金をせびりとるなどはとんでもないと思っていたが、この本を読むと、この残虐な行為の生き証人のような人達はまだまだ中国全土にいるはずで、そういう人のそばで育った人達にが、日本人を快く思わないのは当然のことのように思える。
 我々の親の世代が犯した過ちは、やはり償わなくては。それが国の引き起こした戦争の為に起きたことなら国の責任と言うものもあるはずではなかろうか。
 班さんの本では、最高責任者が何の責任も問われずにいることがおかしいと主張している。こんなことを言うと、右翼から殴られそうだが、元右翼の人が班さんと肝胆相照らすような動画があったので、紹介しておこう。
https://www.youtube.com/watch?v=ILtPnZNLElI