天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

ジョン・ラーベ

 昨日は、八王子の市民団体の手で南京事件を題材にした映画「ジョン・ラーベ」の映写会があった。日中友好協会八王子支部も協賛で、会場の準備などのお手伝いに行った。
 この映画は、作成されてから数々の賞を得ながら、日本の映画館では上映されないでいた。今年になって、各地で上映されるようにはなったが市民団体などの動きで行われて入れている。発禁処分の本のような扱い。
 南京事件については、でっち上げの事件だとする者たちがいる。あるいは、30万人の虐殺というその数字が違っているので、あれは嘘だという。そういう人間がこの映画を見たらなんと言うだろうか。当時の同盟国であったドイツが作った映画だ。根も葉もないでっち上げの映画を作る理由はどこにもない。

 ドイツは、この戦争の時にユダヤ人虐殺ということをやっている。そのことについて、きっちり国としてと反省とけじめをつけている。そして現在は、シリアの難民を大量に受け入れるという国際貢献をしている。あまりにその数が多いので、国内ばかりか周辺のEU諸国にまで影響が出るほどだ。
 それに比べて、日本は、韓国・朝鮮を植民地化した上で、中国侵略した時の実態を認めてきっちりとけじめをつけることをしていない。未だに従軍慰安婦問題にまともに耳を傾けて、謝罪なり補償なりをしようということになっていない。折しも、明日、日韓首脳会談が行われるが、従軍慰安婦問題については日本側に真摯な対応をする用意はないことが報道などから明白だ。Yahooニュースによれば、明日の目的は日韓首脳会談をしているという事実を見せることだとしている。中身のないポーズだけに終わる可能性もある。
 話をジョン・ラーベに戻すと、南京のシンドラーと言われたこの人は、人間愛と正義に燃えた高貴な人物かと思いきや、戦争までの身分は実業家として南京を拠点に中国で事業を起こして成功させた人物だった。日本が上海を攻撃して、次に南京に向かってくるというので帰国の用意をしていた矢先、南京在住の外国人の間で南京にも非武装地帯を作って庶民を守ろうという動きが起き、そのリーダーに推薦されて受けてしまう。いわば開き直って活躍する人間的な姿が描かれている。
 この映画が日本で上映されない理由は、南京事件の首謀者が皇族である朝香宮であるという筋になっているためだ。このことも当時の誰かの証言があってのことだと思うが、日本という国は、こういうことを隠してしまって誰も悪い奴はいなかったことにしてしまう。臭いものにはふたをして、知らぬ存ぜぬ。
 こういうスタンスでポーズだけの首脳会談をやっても、先方も我々日本国民も納得できない。