天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

旅の目的

 今回の旅の目的というか名目というか、それは南昌で開業した友人のラーメン屋さんを訪問するというものだった。目的は見事達成。ナンチャッテ。
 南昌は南の内陸の都市なので、あまり日本人がいるところではない。そういうディープな中国で、彼は日本食としてのラーメン店を開いた。その心は?


 中国の一般の飲食店は、日本と比べるとサービスがイマイチだ。サービスという概念が無いかと思うほど。そこで、最近はやりの「おもてなし」ではないが、お客へのサービスが、店と客の双方にとっていいものだとうことを中国で広めたいと話していた。中国では日本の小売店の店員の対応の良さが評判になっているところもあると聞いているが、そういうことだろう。一般の店舗でもそういう風潮を広げることになる。日本のいい面を中国にも。まさに日中友好につながる。
 しかし、南昌はディープで革命の聖地とも言われるところ。そういう場所では、そう簡単にはいかないようだ。お店や料理に日式(日本式のこと)という文字を使うだけで、ここの助元の人達には抵抗がある人が多いらしい。開店時の地元メディアのインタビューでも「日式」という言葉を使わないように注意されたとか。
 しかしそれだけに、こういうところで開業する意味は大きい。昨日の中国語講座でその報告をしたら、ほぼ同年輩の中国人の先生は「日本語で話すときに日式と言っても、日本式を意味するだけであるが、中国語の中の日式という言葉は重い。あなたの友達は、大変勇気のある人ですね。」と話してくれた。教室の皆さんも、あえてそういう場所で日本の味を出そうというのは偉いね、といった反応だった。
 今、ガイサンシーという本を読んでいるところだが、これによると日中戦争の間に日本軍が中国の庶民を相手にしたことがいかにむごいことだったかがよく分かる。そういう過去がある以上、共産党の抗日宣伝だけではなく「日式」に抵抗感が残っているのも仕方の無いことかもしれない。
 そういう中で、頑張っているのは本当に大したことだと思う。苦労も多いだろう。縁あってそこに行ったわけだが、これから発展する内陸都市と言う狙いがあった。店を出している場所は昔からの南昌の街中ではなく、新しい開発区の中のショッピングモールの一角だ。まだまだこれから人が集まる地域だろう。
 味やメニュー、宣伝に工夫をしながら集客の作戦を立てているらしい。
 長年、企業人として仕事をしてきた彼が、すっかりラーメン屋のオヤジになっている。しかし、東京の裏街ではなく、ディープな中国のど真ん中。まだ開業して1年にならないが、店舗拡大の思いが実現する目標もある。元気で張り切っている様子がまぶしかった。祝愿成功!