天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 宇沢弘文さん死去

 先月の18日、尊敬する経済学者である宇沢弘文さんが亡くなった。86歳だったそうだ。今日、腰痛もあるので早めに帰宅したところ、TVで宇沢氏の追悼番組のようなのをやっていた。
 社会的共通資本という考え方を提唱されて、資本主義経済の欠点をどのように補って、格差の無い、皆が幸せになれる社会を築いてゆくのかということを考え、主張してきた人だった。
 今日の番組によると、現場主義で、書斎にこもって理屈をこねているのではなく、問題の有る現場に出かけて行って問題解決に参加をする活動も行っていらしたそうだ。さすがだ。
 私が宇沢さんの存在や主張を知るきっかけになったのは、内橋克人さんとの対談本を読んだことだった。このブログにもそのときの感想を書いた記憶がある。2009年11月25日のことだった。以来折に触れて内橋さんのことなども書いている。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20091125#1259153755
 2009年といえば、今日のテレビで2009年に宇沢さんがインタビューを受けている映像が出ていた。あの頃は、まだ元気だったのに残念なことだ。TVによると宇沢さんは東日本大震災の10日後に病に倒れたとのことで、大災害のことを書こうと氏のパソコンにはその記事を入れるフォルダーが用意されていて、中に入れる文書を書くことはなかったらしい。以来この秋まで闘病生活だったのか。ご家族も大変だっただろう。
 宇沢さんはノーベル賞に近い経済学者と言われながら、受賞することはなかった。どちらかというとどうしても資本主義の体制に批判的になる姿勢が、政府筋の推薦を受けるに及ばなかったのだと推測する。本当に庶民のことを考えて動く人は、大企業のご機嫌をとりながら動く保守政府からは煙たい存在なのだろう。
 ノーベル平和賞と言えば、アフガニスタンで地域の人のために身を粉にして働いている中村哲医師こそ受賞すべきだろうが、そうならない。かつて日本の総理がもらったことがあった。どうして彼がもらったのかよくわからない。非核三原則の提唱ということになっているが、福島の人的災害をもたらした現状をどう説明するのだろう。
 などと過去のことを言っても仕方が無い。宇沢さんの教えを受けて活動する人達が何人もいる。我々は、この社会的共通資本という考え方の大切さをもっと広める必要がある。そしてその整備を実践する活動に参加したいものだ。腰を痛めたのをきっかけに、残りの時間を腰痛になるようなゴルフなどしていないで、そういう方面に使うようにしたほうがいいかもしれない。ぎっくり腰は、天からの啓示ではあるまいか。