天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

マルクスの理論に思う

 私はマルクス経済学を正式に学習していないので、大したことは言えないが、その理論によれば、社会主義経済に至る道筋で資本主義経済を通過しなくてはならない。
 即ち、自由主義の経済活動の中で人々は富み、財を蓄積し人間社会としての質が上がってゆく。しかし、人々各人の個性とか文化とか、色々な理由で富の偏在が生じ、そのことが社会を危うくしてゆく。これを理性をもって修正してゆく。その過程で制度主義などという考え方も成り立つ。即ち、何でも有りの経済ではなく、一定の枠組みを決めて制限をすることで、社会の弱者へのセーフティーネットを作ってゆく。これが進化してゆくと、社会主義的になってゆくのだろう。
 その時には人々はやりたい放題の経済の不幸を充分学習しており、それがDNAとして子孫の体にもしみついている、そういう状態であれば、例えば高額な納税も苦にならない、のではないだろうか。
 そして中国の場合、資本主義経済の場面を経験しないで、イデオロギーとしての共産主義を旗印にした中国共産党が国内の勢力争いに勝利し、60年が経過した。この間、色々な不幸があった。それは、いきなり社会主義的政策を頭でっかちの状態で進めようとした。ために、現場の監督、つまり地方官僚や庶民の意識がそこに追いついておらず、相変わらずお上に都合のいい報告をしていれば是とする態度をとっていた。今もそれは基本的に変わっていないようだ。しかも、その権力を持って人民を搾取する。
 こうして見ると、このような状態はいつまでも続くものではないことは自明だ。どのように変わってゆくか。徐々に変化する能力というか指導力を今の中国共産党幹部は持ち合わせているだろうか。現体制は、色々の問題を抱えながらもうまくやってきた方だと思う。
 さてその胡錦濤主席と温家宝主席の交代時期が近付いている。後継者は習近平と言う人だ。この人がどのように動くかで、急激な変化となるか徐々に変わることになるかが決まる。急激な変化とは革命のことだ。中国は革命の繰り返しという国でもあった。革命には、無血革命というのもあるし、多くの犠牲を伴うものもある。どうなってゆくか。このままソフトランディング的に変わるのがいちばん平和で、庶民のためにもいいと思うが、そうなるだろうか。
 習近平さんがどのような人であっても、人民の求める方向は同じなので、なるようになってゆくのだろう。決して今更北朝鮮のようにはならないだろうと、期待的に思う。
 それでも習近平さんのことは気になるので「習近平の正体」という本を買ってしまった。