天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「習近平が仕掛ける新たな反日」楊中美著

 物騒な本のタイトルだ。読んでみると中身も物騒な話が次々に出てくる。

第1章 習近平と崩壊寸前の中国経済
第2章 習近平時代に日中戦争が起こる
第3章 米中は10年以内に戦争に突入する
第4章 中国新政権が抱える地域紛争
 ここまでが実態分析でこのあとは、
第5章 習近平の実力と権力闘争
 この章で、中国共産党のトップクラスの派閥や権力争いの実態が、実名で書かれている。頭からこの章あたりまでは、そこまで書いていいのかと心配してしまうような内容が続く。日本だから出版できるが、中国では発売禁止になるような内容だ。そういう意味では、逆にすごく勉強になる。
 たとえば、中国には約500の強大な権力と財産を持つ家族があると言われている。江沢民家族もその中の一家族で、13億5000万の中国人民の頂点に立つ華麗なる豪族だそうだ。習近平はその人の肝いりで権力の座についた。
 すごい暴露本かと思ったら、最後の章では今後中国が必要とする領域で、日本の実力が多いに期待される分野を16も列挙している。
 要するに、習近平さんは日中関係が難しくなっている状況において、ややこしい権力構造の中で指導者となったのであって、この本の前半に書かれているようなリスクがあるのは事実だが、これらをきっちり回避して近い国日本との経済協力関係を維持構築すれば、さらなる発展が望めるという極めて前向きな主張であった。
 しかるに、今朝の日経新聞は何たる記事を一面に載せているか。日本企業が中国での生産比率を下げて、他のアジア地域にシフトしているというものだ。理由はリスク回避と人件費上昇ということ。人件費の方は、事実として他のアジア地域の方が安ければそういう選択も自然の流れだろうが、リスク回避というのは、まだこの本の前半に述べられているようなリスク状態がしばらく継続すると見ているからに他ならない。残念なことではある。
 しかし、中国生産調整モードの企業は、衣料や家電ということであり、この本の今後の推奨分野とは若干様相が異なる。なので、引く人は引いてもらって、出てゆくと喜ばれる人にはドンドン出て行ってもらいたい。私も出てゆきたいので、受け入れられる分野で活躍できる実力、または雰囲気だけでもつけておけばいけるかもしれない。(笑)
 ちなみに、今後の日中協力推奨分野とは、
・省エネ関係全般
・下水道、汚水処理
・アニメなど文化産業
・各種サービス業(旅行、ブライダル等々)
・介護関係 などなど。
後ろの方には、効率的な電力開発として火力発電に加えて、原子力発電もあげられているのが残念。