天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

稲盛和夫的日中友好

 日ごろあまり見ないテレビですが、三連休目の夕方になんとなくテレビを見ていると、今中国では稲盛和夫さんの本が企業化の間で人気があるという話をしていた。
 中国は、改革開放以降、それまでの国全体が質素な生活を強いられていた反動もあり、豊かになれるものから豊かになっていい、という訒小平のお墨付きをもらったので、やり手の企業化は利益重視で右肩あがりの経営を続けてきた。しかし、リーマンショック以来それまでの延長では利益が出ないばかりか、格差が拡大した結果の不満も工場経営には大きな足かせになってきた。
 そこで、従来の経営手法を見直す方策として、稲盛哲学とも言える経営学を学ぼうと言うわけだ。何か、手っ取り早く経営回復技術をモノにしようという不埒な考えのようにも見えるが、稲盛さんの教えというのは、他を利することが商売の原則であり、従業員を家族のように扱うというものだ。その意図するところを正解しないと意味が無いのだが、テレビで見る限り、そういうことを理解した経営者と、そのことにより落ち込んだ業績に回復の兆しが見えている例を報道していた。
 中国の企業経営者が、これからの企業の在り方を考える糧として日本の指導的経営者に習おうとしている。これも日中友好の最たるものではないかと思う。
 中国4000年と言われる中国は、古来優れた文化を培ってきた歴史がある。一方で覇権を争う歴史でもあった。近代に至っては、欧米列強と日本に踏みにじられた国土を、もう一度中国人の手に戻すのに、イデオロギーや駆け引きなどがうずまき、時には内戦や、勢力争いの巻き添えを倉って、庶民にとっては大変な時代を過ごしてきた。
 そういう近現代の経験を持つ中国が、その総生産力の大きさでは世界第二の経済大国になった。この国の経済の安定化は重要な意味を持つ。経済の安定、即ち庶民生活の維持向上を安定化させるのに、少し先に色々なことを経験した日本から学べるものがあれば遠慮なく学べばいいだろう。「日本から」というように考える必要もないかもしれない。たまたま稲盛さんという人が、隣国日本にいるのだから、その考え方を研究するということだろう。
 そのうち、稲盛氏のような人物を輩出した日本という土地柄も見てゆく必要にかられるだろう。
 日本と中国が政治レベルで牽制したりしているのが、滑稽に思える。特に日本側の政府の見識の貧困さにはあきれる。私たちはもっと民間での友好を更に促進するよう動くべきだろう。
 ちなみに、この稲盛和夫氏は中村天風さんの門下生ということだ。これは国を超えた素晴らしい理念ということに違いない。