天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 都庁の地下

 昨日、孔子学院の呼吸法講座に参加する前に東京都庁にある運転免許更新センターに立ち寄った。5年ぶりの免許更新時期が来ていたのだ。ゴールド免許なのでさほど時間もかからないだろうと思ってゆくと、果たしてその通りだった。
 最初に行く場所を間違えて、旅券発行場所に行ったロスがあったりしたが、知人とお昼を食べてから出かけて、2時半開始の呼吸法講座には間に合った。更新時の講習開始の待ち時間30分も含まれている。段取りがコンピュータ化されているのと、数に余裕のある高齢労働者による親切な案内のおかげで、迷うことなくことが運んだ。
 新しい免許証を受け取って、都庁から工学院大学までなるべく雨に濡れないようにと都庁の地下通路に行った。広い地下通路は、薄暗いが傘をささずに移動できるので雨の日は便利だ。通路に下りて見ると暗い中にずらりと荷物が置いてある。都庁の中のどこかの事務所が引っ越しでもしているのだろうかと思ったらそうではなかった。
 目が暗さに慣れてくると、その荷物と思ったものは人間だったことが分かった。ホームレスの人たちだった。ホームレスの人達と、その身の回りの荷物が、整然と(?)人が通るのに邪魔にならないように並んでいた。立ち止まって数えたりはしなかったが、ざっと数十人はいただろう。
 出かけている人も含めると、その数は3ケタにはなるのではないだろうか。
 朝のラジオでは、生活保護受給者の数が過去最高になったと伝えられている。この通路にいる人たちはちゃんと生活保護費をもらっているのだろうか。宇都宮弁護士の話だったか、堤未果さんの本だったかによると、生活保護もホームレスの人達からの申請は不当にも受け付けない事務所があるらしい。
 新宿西口の地下通路の段ボール小屋が撤去されたのは、もうずいぶん前のことだった。一般の人達が歩きやすくなる為、と東京の美観を損ねないための措置ということだった。そこに集まらざるを得なかった人達はどこに行ったのだろうか、と思っていたら都庁の地下に来ていた。
 東京都のお役所が、お情けで場所を提供している、といった構図だ。なんなんだこれは。
 常々公園で寝泊まりする人達には、晴れた日はいいが雨が降ると、こういう場所が必要になる。情け深い東京都庁はこの場所を提供して、ホームレスの人達を保護(?)している、とでも言いたいのか。
 通り過ぎながらチラと観察したところでは、かつてのような段ボールハウスは見えなかった。一時的にそこにいることは許されてても、段ボールに定住することは禁止しているのではなかろうか。ハウスを作らなければ、職員たちは見て見ぬふりをしているというのが実情かもしれない。
 世界の大都市東京の、都庁の地下。これはまるでパロディかギャグにしか思えない。舛添要一さんはここを通ったことがあるだろうか。施設に収容されたりするのを好まない、自由人のホームレスもいるとは思うが、お役所はもう少しなんとかすることがあるのではないだろうか。