天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

小さな災害

 世の中に災害は色々ある。色々の中には、小さな災害もある。今日自分に起こった出来事は、謂わば世の中の最小の災害だろう。
 何が起きたかというと、ズボンのチャックが壊れた。ここしばらく、スーツというものをめったに着なくなり、日ごろの通勤はジャケットにズボン。どうしてもお気に入りの組み合わせを着てばかりいる。ズボンなども何本も買ってもつい気に入ったスタイルの物を穿いている。
 そのズボンのチャックが、使用頻度の多さに、耐用の限界に来ていたのに気付かなかったのだ。手入れをしてあるので、見た感じ古びた様子が無いのでいつまでも愛用していた。ところが今日、事務所のトイレで用を足して乱暴にスッとあげると途中から、サラッと離れてしまった。
 昔、子供の頃に古いズボンをはいていると、お尻の縫い目が割れたままでいるガキがよくいた。現代の大人でこの事故はきつい。なので古いズボンはよくおしりの縫い目は点検していたが、前をやられるとは思っていなかった。チャックの場合、事前に何らかの兆候がみられるのが普通だ。なので、それまでは大丈夫と思っていたのだが、突然来た。
 天災は忘れたころにやってくる。文字通りのタイミングだった。
 しかしてその対応はどうしたのか。
 数回、チャックを手で閉じられないか試みた末、それは無理とすぐに諦めた。方策は二つ。一つはズボンを買う。もう一つは、応急措置で縫い合わせる。
 自分の入っているオフィスビルには、ズボンを売る店は無いがコンビニはある。そこで応急措置の道具を見に行ったら、あるある。何色かの糸を針に通した状態で、繕いセットとして売っていた。これに仮止め用の安全ピンを買って500円とちょっと。それを買ってトイレに気づかれないように入った。
 裁縫を自分でするのは何十年ぶりだろう。百年ぶりでもやらねばならない。
 無事に応急措置をしたものの、用を足すときは大の方で、前を破らないように下さねばならない。あくまでもこれは応急措置。であるのに今日は仕事が終わった後に二胡教室の日だ。できればズボンを換えておきたい。
 新宿駅近くのユニクロを二軒回ったが、ジーンズかチノパンが3990円。どうもピンと来ないので、購買を躊躇して教室にむかった。途中、西口広場のイベントホールで今日も怪しげな物品が並んでいるのを横目に見ながらまさに通りすぎようとしたときに、ズボンがつり下がってるのが見つかった。眼だけが思い切りズボンを探していたに違いない。
 ソソッと駆け寄ってみると、裾も作ってありサイズがぴったりのものが1000円で売っている。消費税を入れても、増税前なので1050円。売り場のお姉さんが、綿100でお得ですよ、というその一言にコロリ。増税前の買い物をした。
 しかし新宿西口広場の真ん中でズボンをはき替えることも出来ず、結局それは持ち帰った。家で穿いてみると悪くない。いい買い物ができたのではないか。災い転じて福となす、とはこのことか。安いので、フィリピンかベトナム、はたまたインドネシアの産かと思ったら、れっきとした(?)中国産だった。素材の綿は65%だった。この程度の売り言葉のウソは許容範囲だろう、といつになく太っ腹でいる。
 教訓!日常使うものもたまに使うものも、使う以上は保守点検は怠ってはいけない。点検が必要なのは、トンネルや鉄道だけではない。