天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

三国志より

 陳舜臣氏の三国志「秘本三国志」を読んでいる。6冊の内2冊まで読んだがまだ劉備関羽張飛の三人組の活躍は出てこない。曹操は出てくるが主役ではない。
 彼らが活躍する前の状況だ。国の統治は乱れ、力による勢力争いが続いている。民が一番迷惑。昔の話なのについこの前も、いや現実にも世界のどこかで起きているような状況だ。人間は同じことを繰り返している。
 世の中が荒廃すると、この気に乗じて権力を握ろうとする輩とか、世直しをしようと立ちあがる人達とか、色々出てくる。この時代に魂で人を救おうと考える人が興したのが五斗米道であり、太平道だった。いずれもいわゆる道教というものだった。道教は中国古来のもので、中国三大宗教の一つと言われるが、一方ではこれは宗教ではないとも言われていると聞く。よりよく生きるための在り方の教えだ。
 今で言う気功などもこの流れから来ているようであるし。宗教とは微妙に異なるように自分には思える。
 ともあれ、この時代から庶民は戦争などが起きるたびに困窮し、悪政に苦しんだ。食べられなくなった人達が、仕方なく軍隊に入り、また食べられないので造反に立ちあがった人達がいて、権力者の軍隊と戦う。末端で体を張って戦争をしているのは貧しい庶民達。
 食べられなくなって軍隊にはいるのは、今のアメリカと同じ。だが今のアメリカは、戦う相手が国内の権力闘争の相手ではなく、アメリカに反旗を翻す外国で、これが戦争産業をうるおしている。
 同じ三国志と題していても、書き手によって随分雰囲気がことなるものだ。