天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 人はなぜ、同じ過ちを繰り返すのか?

 「ルポ 貧困大国アメリカ」を読み終わったその足で、中国語会話へ行く途中に図書館に立ち寄り堤未果さんの本を三冊借りた。その内の一冊がこれ。佐治晴夫さんという宇宙研究の大家との対談本だった。
 この佐治さんと言う人も、今年で77歳になられるようだが、冷静な科学者として素晴らしい見識の持ち主だということが分かった。堤さんの知性と問題意識から発せられる問いに冷静に答えてゆく。二人のやり取りの中からキーワード的な箇所を少し紹介したい;
原子力と言うのは踏み込んではいけない領域だった
−みんな星のかけらだったと・・・。(中略)そういうことをみんな忘れて、人間は自然より上で、自然を制御できると思い始めたのはいつごろからなのでしょうか。自然より近代化が素晴らしいと思い始めてしまったのは・・・。
−「自分」という言葉自体が「自然の分身」ということ
 どれも心に響く言葉だ。まだまだ大切な事が平易な会話で語られている。
 ゆらぎが大切であること。また佐治さんは宇宙学者として星を見るだけでなく、音楽療法ということにも取り組んでいらっしゃる。二胡に癒されている自分は道理にかなっているのだな、と少し嬉しくなったりする。
 この対談では、原発、宇宙、いのち、戦争と平和、未来、といったことが語られている。堤さんの本をと思って手にした本だったが、佐治さんというかたがどのような学者でいらっしゃるかということも分かってとてもよかった。
 こういう人達がいてくれること自体、まだまだ希望が持てる。と言ってもいいかもしれない。