天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「貝と羊の中国人」 加藤徹著

 中国繋がりの友人からの本。他を読んでいてしばらく積読状態だったが、読み始めると面白くて、サクサク読んでしまった。タイトルからは何のことか分からなかったが、貝とは昔宝貝の貝殻が通貨として使われていたことからお金を象徴しておりホンネの部分をさし、羊とはイデオロギーなどのタテマエの部分を意味している。このホンネとタエマエが融合しているのが中国人であり、それはどういうことかがこの本を読んでいくと理解できる。
 中国の人達とおつきあいをするようになって以来、色々と感じることがあった。どうしてそうなのかよく分からないままに、有るがままに受け止めてきたのだが、その「どうして」という部分を、歴史的、地理的(地政学的)、民族的にやさしく解き明かしてくれる。
 中国語そのものが中国人の民族的特徴を表している、というのも常々感じていたところでもありよく分かる。
 あちこちに付箋を貼ったので、そのいくつかを書いていこうか。
 今日はまず中国に直接関係ないが、これからの中国と日本の関係を希望的観測をする部分で「マクドナルド理論」というのが出てくる。これは、アメリカのハンバーグショップであるマクドナルドのお店が出ている国同士は戦争をしない、というもの。即ち「麦当労」という中国名で、今や中国のちょっとした繁華街にはマクドナルドが沢山出ている。日本も色々なハンバーガーショップのチェーン店が出ているが、中でもマクドナルドは勝ち組として店舗展開をしている。
 ケンタッキーフライドチキンも両方にあるけど、マクドナルドの方がメジャーなのか。で、マクドナルドは中東のイスラム圏には進出していないのだろうか。そこのところは検証してみる必要がある、とかなんとか問題はそういうことではない。食文化も含めた文化交流が進んでくると戦争を回避する動きになりやすいということだ。なので、日本のアニメが中国の若者の間でとても人気があるとか、中国産孫悟空が日本でも子供向け物語として普及しているとか、そういうことが友好な関係維持の大きな要素になっていくと言うことだろう。
 本書は、もっと中国人民の現在の有りようについて、広い視野から色々な切り口で書かれている。中国に興味を持つ人、日中関係の改善を願う人は是非一読するといい。この著者の他の著作をいくつか読んでみたくなった。