天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「中国人の歴史観」劉傑著

 この本によると、中国人は大雑把に大別して、「知日派」と「非知日派」とに分かれる。意味は読んで字の如し。それぞれ、どういう人かというと、「知日派」というのは日本を知っているだけでなく、日本引きにな人たち。一度日本に来たりすると、たいてい知日派になる。おそらく、自分たちと同じような顔かたちをした人間たちが、小ぎれいな暮らしをしているのを見て、好感を持つのだと思う。
 一方「非知日派」は、中国において教育、宣伝に素直に影響されて日本人のことを「小日本(シャオリーベン)」とよんで小ばかにしているか、全く日本に興味を持たない人たちのことだろう。
 それにしても、中国は近代においては外国人たちと、否が応でも付き合いを余儀なくされて来た。古代と違って、外国人たちは自分たちより強く、進んでいる存在であり、お客様であったのだ。ただでさえ客を大切にする中国の風習のなかで、進んだ外国人のことを「外賓」と読んで敬うそぶりであった。それが最近は「老外」という言い方に変わった。「外人め」という程度の感覚だろう。即ち、外国人と対等の関係において、小賢しい者という風に見るようになったのだろう。その外人が日本人の場合は「小日本」となるわけだ。
 中国は昔から外交に長けた国だ。西洋とは中東をはさんで陸続きで、東には朝鮮と少し海の先に日本。という具合に外国に囲まれた国だけに、外交が必須の環境にあったのだ。そこへゆくと、日本は北や南から流れてきた人種も混ざり合って、海に囲まれて海外との交流が制限された中、独自の文化を作り上げてきた。かかる状況のなか、ものの見方が中国と日本で異なるのは当然だろう。そういう意味も含めて、この中国人による「中国人の歴史観」という本は興味深い。