天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

To Love Again

 これは、ダニエル・スチールの1981年の作品だった。デビューして数年、まだ数年ということもありストーリーが特に斬新ということもなく、引き込まれるということも無かった。しかし、ラヴストーリーとしての描写はダニエルならではのもの。こんな愛情のやりとりができたら、人生がどんなに楽しいものになるだろうか、と思わせる。
 物語のあらすじを書いてしまうとこんな感じ。
 ローマで愛する夫とブティックというか、今で言うデザイナーズブランドを主催している、恵まれた境遇の金持ち女性。ある日、夫が身代金ねらいの誘拐犯に連れ去られる。警察に通報されたことが知れて、夫は殺される。犯人が捕まらないため、さらに、彼女自身と可愛い息子が狙われるということになり、昔アメリカに留学中に仲のよかった友人を頼ってニューヨークへ行く。そこで、身を隠しながら生活する。ローマに残したお店を任せた人から、アメリカのさる筋から店とブランドを買いたいというオファーがあることを知らされたが、断じて断る。夫とやりくりした店は自分で切り盛りをして息子に残したい。
 一方、ニューヨークでは、迎えてくれた女友達の男友達を紹介されて恋に落ちる。彼に息子もなついて、いい関係になったが、ひょんなことから彼女の店を買おうとしたアメリカの会社のオーナーであったことが分かる。彼の方は、それとは知らず彼女に恋したのだが、彼女のほうは、店買いたさにに色恋沙汰で落とそうとしたと誤解し、絶交を宣言。そしてローマの店はたたんで、ニューヨークで仕事を継続することを決断。するとまもなくローマで誘拐犯が捕まったという知らせ。その裁判にでることになり、ローマにゆく。一方ローマの友人から、絶交を宣言されたアメリカのオーナーが、彼女のサポート役としてお呼びがかかる。そこで裁判を乗り切り、彼女はまたその彼とよりを戻してニューヨークに帰る。
 これでハッピーエンド。この後の作品の方がやはりストーリー性では進化している。が、ダニエル小説の魅力は愛情描写。愛し、愛されることの喜び。それがどんなに素敵なことか、ある意味、自分(読者)にはありえない素敵さを本の中で感じさせてくれるものだ。えてしてラヴストーリーという種類の小説はそういうものかもしれない。ハーレクイーンロマンと呼ばれる小説郡があるが、それはその点に徹して女性ファンを得ているのだろうと思う。読んだことがないのでこれは推測。
 次に注文してあるダニエル本はまだ来ない。