天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

ワーク・ライフ・バランス(WLB)

 月刊 ALCOM WORLDという雑誌がある。ここ数年毎月手にしている。これはアルクという語学教材の出版社の会員誌のようなもの。買えば1冊550円するものを、会員である私のところには毎月送ってくれている。
 会員であるのほ、中国語ジャーナル日本語教育ジャーナル(旧月刊日本語)を定期購読しているからだが、この二誌とも今年の春で廃刊になる。さほど熱心な読者ではなかったものの、とてもいい冊子だったので無くなるのは大変残念。
 特に中国語ジャーナルの方は、まだまだ中国語学習を続けたい自分には、やっとこの雑誌のレベルに近づいており、中級学習者にちょうどいいのではないかと思っていた。これも日中関係が冷え込んで売り上げが落ちたのだろうか。大変残念なことだ。
 話は今月届いたALCOM WORLDの特集に「ワーク・ライフ・バランス」について各国の様子が出ていたこと。
 ワーク・ライフ・バランスとは、仕事とプライベートライフのバランスは各個人個人のライフスタイルで異なる。こうした様々な価値観やライフスタイルを持つ人達を否定せずに受け入れ、しかも意欲的に楽しく働ける環境を作ろうというのがWLBを実現させるということ。その視点では日本はビリから三番目の国になるとのこと。日本より下位に評価されているのは、メキシコとトルコ。上位は想像通りヨーロッパ各国が並ぶ。が、ドイツやフランスなどの経済力のある国ではなく、上からデンマーク、ベルギー、スペイン、ノルウェイ、オランダ、スウェーデンと続く。スペインが意外だったが、他は北欧とその南側にある国々だ。特段経済的には世界に影響力を持つとは言えないが、そこに住む人々は各人のライフスタイルを大切にしながら暮らすことができているということだ。
 日本の評価の低さは、戦後からずっと経済成長重視の政策でやってきたためで、国民が一丸となって経済成長を成し遂げたといえば聞こえはいいが、仕事で家庭生活を犠牲にしてきたことの結果とも言える。自分の以前の過ごし方もまさにそうだったように思う。
 そして今、若者のマインドは変わってきたものの、日本の社会は経済成長というよりも企業中心の社会になっている。市場が開拓されつくした感のある日本では、企業としての利益追求のために、費用をカットする。大した工夫もしないで削れる費用が人件費だ。非正規雇用を増やすことでこれを実現している。雇用形態における差別といえる。実際にやっている仕事は正社員も派遣社員もほとんど変わらない。むしろ雇用の不安定な非正規の社員の方が、真面目に仕事をするということもある。
 こんな状況でWLBもあったものではない。災害の時には助け合う姿で、世界の他の国々の人から見直されるという庶民でありながら、多くの大企業の今の有り方はこのままではよくない。中には社会と、社員に軸足を置いた見上げた企業もいくつかあると聞く。
 他人を犠牲にして、企業利益を追求することで自分の評価(=収入)を得ようとする人間が減らなければ、日本のWLBの環境は決して良くならない。「共に生きる」というマインドが大切な事を理解する人が増えなくては。
 明日からまた仕事が始まる。年頭の願いとして、日本のWLB環境が少しでも良くなることを挙げておくかな。