天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

意外な戦争賛成派

 今日、新年が明けて初出社し久々に業界紙に目を通したところ、コラムに引き付けられた。業界とは何の関係もない記事だ。
 その存在を知らなかったが、赤木智弘と言う人の主張について書かれていた。戦争をしたい派であるという。何のために。今のがんじがらめの日本の社会をぶっ壊す為に。
 彼の世代は就職氷河期と言われた時代に社会に出て、正社員の道を歩むことが出来なかったか、その道から外れるかすると二度とチャンスが無い。フリーターを続けざるを得ない。そういう社会も戦争が始まって、みな軍隊にはいると、先に入った人間が先輩風を吹かせることができる。戦争で人が死ねば、人口構造も変り、生き残ったものにまたチャンスが生まれる。
 面白い冗談といって笑える話ではない。社会から閉塞状態にある、あるいはそう感じている世代がいるということだろう。戦後の日本の社会が作ってきてしまった社会構造からはじき出されて、格差拡大の要素にもなっている世代がいる。人格的には勿論、能力的にも何の遜色も無い人達が、運が悪かっただけでこういう主張をしたくなるほどに負い詰められているとしたら、大きな問題だ。
 我々団塊の世代前後の人間は、戦争も知らずに育ち、バブル崩壊で資産が減った人もいるだろうが、そんなことくらい何の痛みでもない。先の見えない若い世代に、頑張れとか、頭を使え、チャンスは自分でつかむのだ、などと言うのは簡単だ。自分たちは高度経済成長の波に乗っていただけで、大したこともしないで安寧な生活を手に入れてきた。
 この状態を打破する方法が戦争だというのは短絡的すぎるという議論はむろんあろうが、そうでも言いたくなるような社会であることには違いない。
 アベノミクスは賃金を上げるそうだが、正社員の賃上げだけでは更に格差が拡大する。こういう危険な思想も戦争産業に肩入れしている輩にとってはウェルカムなのか。
 戦争を回避するには、こういう問題も視野に入れなくてはならないだろう。
 イスラム国に傭兵として金を稼ぎに行こうという日本の若者もいるくらいだ。そうではないでしょ、人間の幸福とはお金だけではないでしょという啓蒙も、きれいごとに聞こえてしまう場合もある。企業人でも起業派でもいい、頑張れば結果が期待できる仕組みが作れないものだろうか。
 起業と言うことに関しては、アメリカの方が環境が整っている。いちど失敗しても、Next Chanceがある。起業の失敗ですべてを失うようなことはないらしい。閉鎖的な大企業がダメなら起業家が活躍できる環境を整えるのがいいのではないだろうか。戦争よりその方がいいに決まっている。