天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「チベット女戦士 アデ」

 「チベット高原の片隅で」という本を読んだのがきっかけで、チベットの女性戦士といわれているアデさんのことを知った。そしてこの本を注文。読んでみて驚いた。中国共産党チベットに対してどのようなことをしてきたか、その渦中にいた女性が語っているのだ。
 内容はあまりに驚きなので、はじめと、中ほどと、最後のあとがきの一部を引用することにしたい。
 「いま読もうとされている、本書に匹敵するほどの物語は、ほとんどありません。これは、計りしれないほどの辱めと苦しみに直面しながらも、人間としての尊厳、誠実さ、慈悲深さを維持しつづけた、ひとりの女性の壮絶な物語です。」
 文中で、アデが苦しみの中で心で繰り返したという祈祷文。
 「過去に生きたすべての人間を、著名なものも、身分の低い者も、注意深く考察してみると、いまではもう彼らの名前しか残っていないことに気づく。そして、いま生きている人間にも、いつかは必ずだれにでも終わりがやってくる。
 現在の地位も、家も、家族も、友人も、財産も、この身体でさえ、すべてのものはそれほど長く留まることなく、消滅しなければならない。この夢のような世の中で、私はいったい何に意味を見い出せばいいのだろう?」
 監訳者あとがきより。
 「『アデの物語』は実在のひとりの女性の二十七年にわたる獄中生活の生々しい記録です。そこには拷問、強姦、相互スパイ、人民裁判など、日本の読者が映画の世界で見ることしかできないような、想像もできない記録が細かく述べられています。飾り気のない一つひつとの言葉の中には魂のようなものが感じられます。
 ダライ・ラマ法王の序文にも書かれてありますように、この物語は残念ながら過去のことではなく現在も進行中の物語です。」
 内容を紹介するにはあまりにも、といった内容だ。思う所種々あるものの、別の機会にしよう。