天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

思索的な本

 「リスボンへの夜行列車」という本を読んでいる。世界で400万部売れており、読み終わると人生が変わるというので、どう変わるのか知りたくて、変われるものなら変わってみたくて読み始めた。
 真面目一徹なスイスの高校教師が、判でおしたような教師生活から、ふとしたことがきっかけでポルトガルへ行こうと思い立ち、リスボン行きの夜行列車に乗る。それでこのタイトルかと言うわけだが、ただ日常性からの離脱というだけでなく、恐ろしく思索的な本だった。まだ半分強のところまで読んだところだが、いくつかの気になるフレーズを書き出しておきたい。
−我々が、我々のなかにあるもののほんの一部を生きることしかできないのなら――残りはどうなるのだろう?
−人は自分をあまり重要視してはならないという信念に導かれて。
−時間は停滞し、世界は停滞していた。それは、グレゴリウス(主人公)の意思が停滞しているからだった。
−虚栄はひとつの埋もれた愚鈍の形ですよ。
 こんな皮肉な言葉もあった。
「神は自分の持ち上げることのできない石を創造することができるだろうか」
 この本は、決してキリスト教を茶化しているものではない。人生というものを真正面から思索しているように見える。
 読み終わると変わりそうか?というと俺はオレ、と言う気がするが、目先のことに一喜一憂して思い悩む必要などないという気にはだんだんなってくる。読む前から歳のせいか最近そういう気分になってはいたが、より一層そうなりそう。こうなると怖いものが無くなると思うが果たしてそうか。もう少し読んでみよう。