天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「放射能列島 日本でこれから起きること」

 これは現在中部大学の教授をされている武田邦彦先生の本。朝日新聞社朝日新書として昨年暮れに出版されたもの。
 原発を巡っては政府の御用学者がメディアを通じて国民に無責任な見解を述べており、何が真実か一般庶民には分かりにくい状況になっている。心ある学者、市民団体などが真相を伝える活動をしている。八王子市民講座などもその一つだ。
 そんな中、この本は事実に基づいて冷静に書かれている。科学者らしい冷静さの中にもきっちり批判すべき点は批判として述べられている。その中で一番ショックだったのは、地球温暖化のウソという点だった。これも含めてポイントを少し列挙しておきたい。
・1年1ミリシーベルトが、いわば国際基準。しかるに、文部科学大臣福島県の児童生徒の年間被ばく許容量を1年1ミリシーベルトから1年20ミリシーベルトまで上げた。(つい最近のニュースでは、福島の児童生徒の医療費を無料化するという。なんということだ。他よりも基準値を上げておいて医療の面倒は見るというのは、明らかに放射線の影響があることを認めている。その地域から全体を避難させるよりも、体を悪くした子供の医療費を無料にする方がお金がかからないというわけだ。なんという国民の命を軽んじる政策だ!)
・昨年の3月11日以降、電力使用制限が続いた。しかし実際の使用電力量は、福島発電所の発電量がなくとも十分に賄えるものだった。にもかかわらず、15%の使用電力制限があったため多くの事業所は影響を受け、経済が沈滞したといえる。
原発がクリーンエネルギーであると宣伝されて作られるようになったのは、石油などの化石燃料が枯渇するため、その代替エネルギーとして必要とされていた。石油ショックの時は石油もあと40年とされていたが、40年を経た現在も無くなっていない。計算によれば、少なく見積もって8000年はもつということだ。
地震に安全な原発はない。震度6地震で7か所の原発はみな壊れている。
・大きな地震があと何年来なければいいかというような理屈は無意味。あと80年で大地震は必ず来る。今年生まれた赤ちゃんが生きている間には確実に大地震が来る。ウチの孫たちの代には必ず来るということだ。
・中国からの輸入野菜は農薬だらけだと言っていたのに、中国の富裕層は日本の農作物は放射能汚染されているとして買わなくなる。
 あんまり詳しく書くと、この本が売れなくなってしまうといけないので、これくらいにしておこう。こういうちゃんとした学者の本はみんなで買おう!