3大ニュース
今週のお題「2011年、私の3大ニュース」
今週のお題が、今年の私の3大ニュースというので、この前から何があるか考えていた。まったく個人的に身の周りに起こったことを思うと、まず孫が生まれたこと、還暦を迎えたこと、白内障の手術をしたことなどが挙げられる。しかしそういうことなら、敢えてここに書くようなことではないだろう、と今日になってふと思った。前の二つは大変幸せなことではあるが、幸せな人には普通におとずれることだ。
1年を通して振り返ってみるとやはり3.11は外せない。
1.3.11の東北大地震
2.中村医師のことを知ったこと
3.白内障の手術
以上の三つとなる。
まず3月11日の大地震は二つの点で大きな意味があった。その一つは、まず地震そのものの大きさと影響だ。日本列島は大地震が予想されていたし、三陸海岸というのはのこぎりの刃状態になっているので、津波が来ると陸に近付くほど高さが増幅されるということは周知の現象として知られていた。かつ、以前に大津波の経験もあり、地域によってはその教訓がいい伝えられており、津波のときに安全な場所はどこかということが知られていた。なのに長年の間に人は海岸に住んで集落を作った。このことはまた繰り返されるのだろうか?とても考えてしまう点だ。
次に福島原発の事故。これは人災だ。大地震をきっかけにその不十分な安全性が露呈された。そして色々と調べてみると、原発そのものが大きな問題であることを学習した。と同時に、この事故の放射線の影響というのは計り知れない。いまだに東京でさえ農作物から大量の放射性物質が検出されている。風向きなどの気象条件によって、こちらまで飛んでくるのだ。
そして更に、人間の科学がいかに自然破壊をしてきたか。人間が自ら自分たちの生存環境を破壊しているのだ。
次に中村医師のこと。これは今年になって初めて知って驚いたことだ。テロリストの巣窟などと報道されていたアフガニスタンで医療活動や井戸、用水路を作る活動を27年にも渡って続けてこられている。その27年の間、そのようなことをつゆとも知らず、自分は何と目先のことに追いまわされてきたことか。中村医師の行為そのものに敬服するだけでなく、アフガニスタンの地に暮らす人々のことを、本や講演の範囲ではあるが知り得たことも大きな意味があった。
経済的に豊かなことが幸福というわけではない、ということをベースにした社会にもうそろそろならなくてはいけないと感じていたところに、アフガニスタンではそんな感覚に近い暮らしむきの人たちがいるのだということを知り得た。中村医師の活動がここまで継続されていることの一つの理由は、このアフガンのひと達の暮らしぶりにはまり、彼らにいとおしい愛情を感じていらっしゃるからではないかと思う。
そうしてあらためて考えると、以前から知っていたワンラブプロジェクトの真美さん。ルワンダで現地の人と結婚して地雷などで足を失った人たちに義足を作っている真美さん。この人も中村医師に負けず劣らず大した活動をされているのだ、と再認識をした。
最後に白内障手術のこと。これは単に自分の目が治ってよかったということではない。この手術も昔は結構大変な手術だったのだが、今や医療技術の進歩のおかげで日帰りでもできる簡単な手術になった。そのことに驚いた。科学技術の進歩というのは、原発に見られるように、ひょっとすると無くてもいいものではないかと懐疑的になっていたときに、技術の進歩も有効に正しく使われれば確かにいいものだと実感した。
それと自分の目玉を通して、人間の身体というものを身を持って感じた。丁寧にいたわればまだまだ使えるものだと何故か思った。
以上が今年大いに感じるところのあった三つのことだ。