ペシャワール会報 No.114
ペシャワール会の会報が届いた。中村医師の報告によれば、ペシャワール会の「緑の大地計画」の10年越しの取り組の山場であるとか。冬が乾季でもあるので、用水路を深く掘り下げることのできるタイミングだそうだ。
ペシャワール会とは、1983年9月、中村医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成された団体。中村医師の活動は、らい病患者の治療から始まり、病気の原因である生活環境の改善としての、井戸掘り、そしてこの用水路の構築に及んでいる。
医師の活動範囲は、パキスタンからアフガニスタンにおよぶ。ソ連やアメリカに蹂躙されて大量の難民を出しているアフガニスタン。その荒れ果てた大地に井戸を掘り、用水路によって緑の畑を復活させている。
現在までに15万人の人達が、水路の出来上がった故郷に帰って自給できるようになっている。それだけの数の難民を救済したということだ。
日本では、原発による甚大な環境破壊をしておいて、責任をとらない人間がゴロゴロしている。電力会社の役員であったり、停止していた原発の再稼働を許す政治家などだ。
明日のクリスマス・イヴは、被災地の人達はどのように過ごすのか。アフガンでは中村医師は寒い中、工事の山場に出向いて自らパワーショベルのハンドルを持つのだろう。ふざけた権力者や電力会社の金持ちは、ぬくぬくと家族でパーティーでもやるのか。クリスチャンでもないのに。