天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「中国人エリートは日本人をこう見る」

 掲題は本のタイトルであり、中島恵と言う人が書いている。友人が貸してくれた本だが、「中国人エリート」とあるので中国の特権階級や仕事で成功した人達のことかと思ったら、日本留学をした人たちのことだった。
 そういう人達は「エリート」だろうか。そこは疑問が残る。確かにこの本の中にも書かれているが、昔の国費留学生は確かにエリートだった。私もそういう人達を二人ほど知っている。そのうち一人は、留学して帰国した後で起業しているが、その資金は国から出ている。中国の会社を興す事自体、国を挙げての動きだった。
 当時は留学をすると特別なエリートで、もう一人は日系企業の現地会社の社長をやっていた。両方ともIT業界だった。
 それが今では就学生という制度があり、まず2年間日本で日本語を学びながら仕事をする。微妙な点は、仕事が主目的か日本語学習が主目的かはそろぞれの目的による。日本の安価な労働力になっていることは確か。
 2年の内に、日本語を習得して大学入学試験に合格すれば留学生として継続滞在して日本で学ぶことができる。その間も、国からの支援がなければアルバイトで生活しながら大学に通う。そして更に卒業後が問題。昔は卒業して帰国するだけで道は開けた。しかし今ではそういう人が多くて、簡単には学歴に見合った仕事に就くことができない。
 この本は、そういう中国の若者達の多くにインタビューを重ねて、彼らの実情や、彼らが日本社会をどう見ているかをレポートしていてなかなか面白い。私の交際範囲だけでは知り得ない情報だ。
 中国や日本の若者達が、学んだことを元に色々な分野で生き生きと暮らして行ける社会であらねば。そのためのセーフティネットの充実が必要だろう。