天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国映画「故郷の香り」

 昨日に引き続き、中国映画観賞をした。この映画は、まいにち中国語というラジオの中国語番組で教材として紹介されていた。そして、面白そうな映画なので原作の「白い犬とブランコ」を読んだ。そのことはこのブログに書いておいたが、映画の方を通しで見るのは初めてだった。
 原作と、映画とはかなり違うことを承知していたので、原作のすさまじい男女関係に比べて、映画は穏やかなのだろうと、実は大きな期待はなかった。がしかし、感動した!
 ブランコの事故で女主人公の暖(ヌアン)がけがをする場所が目と脚の違いがあるが、それは大きな問題ではなかった。主人公の男性ジンンハー(井河)が10年ぶりに故郷に帰ると、けがをさせてしまった昔の恋人ヌアンは、口のきけない男と結婚をしていた。これは原作も映画も同じだが、映画の方はこの男の存在が際立っていた。
 暖がけがをし、井河が北京の大学に行ってから、暖はジンハーと手紙のやりとりをしながら彼の帰りを待つ生活になった。口のきけない男(ヤーバ)は脚の悪い暖の暗いぶりをそばで気遣う。が、北京からの手紙を、破り捨ててしまう。彼なりに暖を愛し、嫉妬していたのだった。
 井河が、暖とヤーバの家を訪ね、その娘と三人の暮らしぶりを見て、後悔するような懺悔するような気持ちで北京に帰る時、昔からの二人の関係を知っているヤーバは、暖と娘を北京に連れて行け、と言いだす。暖の幸せのためにはその方がいいと言う思いからだった。
 泣けるのはそのあと。暖は過去のことは不運と諦め、運命を受け入れて聾唖者の夫を愛して生きてゆく、という決意が見えることだ。
 こうなると原作とはかなり異なる。原作の方は、人間のもっと暗い部分をともすれば意地悪くえぐりだしているようなところがあるが、映画の方は心が洗われるような気持ちにさせてくれる。