天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

北京コンセンサス

 「北京コンセンサス」という言葉が出来ているらしい。「ワシントンコンセンサス」が徹底した市場主義と小さな政府に特徴づけられるのに対し、これは国家権力がいつでも民間の経済に積極的に介入する成長モデルのことを言うのだそうだ。これも今やチャイナリスクの一つであるらしい。
 そもそもチャイナリスクなどとう言葉があることは、何か偏見のような気がしないでもない。自然を見るに、克服するものとみるのか、共に生きる(共生)ものとみるのかという二つの視点があるが、対中国看も同様に二つの視点があると言わざるを得ない。
 自然を克服するものとしてきた流れは、産業革命から高度経済成長に至る時代にそのピークに達し、今やっと自然破壊・環境問題がとりざたされるようになった。そして自然に対するに共生の視点で、これ以上自然を壊さない、壊した自然の回復をしようという運動が行われている。
 中国と自然を対比するのは如何かなものかと思うが、中国という大きな隣国を昔は克服(?)しようとして、当然ながらうまくゆかず、今は共に発展する相手として共生(?)を目指している。何か話が矮小化されているようではあるが、基本的なコンセンサスは同じではないだろうか。
 後者の立場で見ると、チャイナリスクなどと言うのはもってのほか。外国に出ることについて、国内活動と比較でリスク認識をすることは、ビジネスの世界では必要なことではあり、リスク一般の一つとして海外進出を客観的に見ることは必要だが、チャイナリスクなどと一般化された用語が存在すること自体、中国を特別扱いしているような気がする。新興国としてのロシアに行く場合にも同様にリスクがあるが、ロシアリスクなどという言葉はあまり聞くことはない。
 チャイナリスクとして挙げられるものは、中国のよってもって来るところの歴史や社会、環境に所以するものであろう。中国のネガティブな特徴をリスク扱いするよりも、その背景にあるものをよく見ていくことをしなければ、真の共生はあり得ない。