天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「歴史の中の日本」

 司馬遼太郎氏の随筆集。司馬氏については、佐高氏の司馬批判を読んだために、一瞬「そうなのか、よくないのかな」と思わされたが、ここに集められている随筆を見ると、やはり司馬氏の文章は読むべきかなと思う。幕末から明治にかけての人々にかかわる歴史小説を書いたいきさつ、あるいは書いている途中の状況なども収めれれている。珍しいのは、奥さんとのやりとりのことまで書かれたものもある。
 そして、あとがきでは「私には、随筆は書けない」ときた。この意味は私的随筆、あるいは随筆として主張をしてゆくことはしない、という意味だろうか。言いたいこと、感じたことは小説として書くということかもしれない。
 この中で、持ち上げている作家が何人かいる。筆頭に吉川英治氏、子母沢寛氏。そして井上靖氏や陳舜臣氏のデビュー作のころにも触れている。吉川英治氏はなんといっても宮本武蔵のことを書かれているが、手元には氏による「三国志」全八巻があるので、これから読んでみようか。ああ忙しい。
 司馬氏は吉川英治氏にかかわる思い出として、氏が直木賞を受賞したときに吉川氏から「人生は短いので、書きたいことを書けるうちにしっかり書くように」というようなことをつぶやかれたことを書いている。それはだれにも言えることだよなと思う。したいことがあったら、さっさとやっておけということだ。
 やれるならやるべきだし、やれないなら無理してやることはない。やれないことを悔いてもしかたがなく、やれることの中でやるべきだと信じることをやればいい、ということが最近になって分かってきた。まだ実感はしていない。まだ大したことをしていないせいか。大したことをしようという大それた考えも休むに似たり。
 明日は労働節。日本ではメーデー