共生の大地
共生の大地−新しい経済が始まる(内橋克人著)
この本は、1994年4月から37週にわたって日経新聞に連載されたものをまとめたもの。1995年3月に第1刷が出てから2009年6月の27刷に至る。多くの人に読まれているということが分かるだけでも嬉しい。これは、「始まっている未来」という対談本で感銘を受け、対談者の宇沢弘文氏とこの内橋克人氏の本を買った。その1冊。
これは自分にとっては目からうろこ。そして共感。日ごろ感じていたことと同じ基調の主張が整然と述べられている。従って、これが多くの人に読まれているということは、日本も心ある人たちが少なからずいるということが実感できて嬉しいというわけだ。
この本では、日本の官僚政治の硬直性を批判しつつ、経済活動はすべて企業にお任せの、企業一元社会ではもう成り立たない、多元的経済社会でなくてはならないということが書かれている。
聞きなれたNGOとかNPOという言葉ではあったが、その存在の意味するところが理解できたと思う。この本に書かれているNGO「市民フォーラム2001」というのがある。岩崎駿介氏が事務局長を勤めるとある。15年前の本なので、このNGOは今はいかに、と調べてみたら最早活動を停止していた。筑波大学教授であられた岩崎氏は今はリタイアされてか、田舎に数年がかりで手作りの家を奥さんと建てられており、今年あたり完成ということがネットで分かった。日本の社会に貢献されて今や余生ということかどうかは分からない。手作りの家ということに主張があるのかもしれない。
ともあれ、利益追求の企業集団ばかりの市場主義、新自由主義というところに限界があったのだ。さて、色々わかってきて次にどうする。行動を起こす好機が来るまで、準備と学習を冷静にするしかない。ということで、この著者の最近の本を読む必要があるな。これぞ連鎖読み。