本のこと
毛沢東秘録(下)を最後まで読み終わって、なかなかいい本だったなと改めて思っている。新聞社の取材班が作成した本だけあって、資料に基づいて客観的な記録として、それでいて読ませる本になっている。
結局中国現代史を書くと、毛沢東のことになる。ワイルド・スワンを読んで、毛は本当にひどいなと感じた訳だが、「冷静に見ているぞ」というスタンスの本もあった。この本も、資料に基づいているので冷静にならざるを得ないが、使う資料を選ぶことで見方が表現される。毛について言えば、中国共産党の評価は、即ち文化大革命は彼が起こした誤りであるが、功績のほうがはるかに大きいというものだ。
次に周恩来を読まなくてはという気持ちになる。そこで、今日中国語会話の昼食会の帰りにブックオフに寄って見たら、周さんの伝記がなく、またユン・チアン(ワイルドスワンの著者)のマオ-誰も知らなかった毛沢東-を買ってしまった。そのほか、井上靖の「天平の甍」、新書で「中国人の歴史観」劉傑著、「中国人民共和国史」天児慧著、「中国人と日本人」キュウ永漢など。
今年読んだ本は、冊数にして現時点で64冊となった。多いほうだろうか、少ないのか分からないが、読書人といえる程では無いかも知れない。そのなかで印象に残っているベスト10。
1.竜馬がゆく
2.満州国物語
3.ワイルドスワン
4.大地
5.中国全省を読む
6.昭和史
7.裸でも生きる
8.白い紙/サラム
9.毛沢東秘録
10.ダニエルスチールの本5冊
新しく書かれた本というのは、今を繁栄していて面白い。
例えば「レッド・ゾーン」。ベスト10の中で新しいといえば、5,6,7,8あたり。毛沢東秘録は10年前、即ち中国建国50周年にあたり編纂されているが、更に60周年の現在について、この調子での続きを読みたいものだ。そして中国の人物的には、やはり周恩来、訒小平だろう。そのあとから今に続くつながりを知りたいものだ。
ダニエルスチールは今年も新本を書いているが、過去のものでも新しいものでも、トーンは一緒なのでネット購入で順に楽しんでいく。