結構時間をかけて読んだ。どうしてこの本を手にしたのか、と思ったら前に「なぜ日本は没落するか」という本を読んで、その連鎖反応でこちらも読もうと思った。なぜ日本は没落するかより4年前の出版。
没落する前に、こうしたらいい、ということが書かれている。
書いてある内容は今読んでも、少しも違わない。が、日本はそうしてこなかった。
敗戦から立ち直って経済成長して、行き詰まった時点の提言といえる。出版は1995年。以来日本はデフレのまま。給与は上がらず、そのレベルはお隣韓国にも抜かされたらしい。
日本についての歴史的考察もされている。戦争についていえば、昭和天皇の戦争責任はあるとして、どうして無謀な戦争に突入したか、についても触れている。
今でも通じる点、というのは国防論だ。関氏という軍拡による国防を主張する人と論じあっている。軍備拡大は国防にひとつも寄与しないというのが森嶋氏の主張。その通り。
そしてアジア経済共同体の提言をしている。東アジア各国が、共同の利益を追求できる仕組み、公平に利益を享受する仕組みを提言する。理想的な話だと思うが、民族に拘るとこれは実現しない。もともと日本人は中国、韓国経由で来た人たちと元からいた縄文人とか、最近はユダヤ系の血脈もあるという話もある。それくらい、ルーツは様々。
EUみたいなのを東アジアで作ろうというもの。
一つ今風でないのは、協力して経済発展しようというのだが、新技術で資源開発をするのがベース。技術を提供する国と、資源国家と、搾取ではない関係を構築する。のはいいが、資源開発って地球環境の視点からは、やたら地球をほじくり回すのはよくない。という意見が当然出てくる。そうした問題もともにクリアしていこうというのは、なかなかハードルが高い。高いが、実現に向けた努力が始まるといい。
そういうことを進めるには、軍拡による国防などを論じる場合ではない。
以下余談。
先日、岡崎の姉のところに前回切り倒した庭木の整理をしに行った。天気が良く、行く途中の富士山がきれいだった。
今回は、矢作川のうな丼を食べるというのが主たる目的でもあった。こういう楽しみもなかればやってられない。
これで2500円。贅沢のようだが、このクオリティを東京で食べようと思えば倍近くする。そもそも調理方法が関東とは違い、炭火で直焼。関東風は先に蒸すので食感がふわふわ。こちらは、プリプリ。
店の外に積んである段ボールにラオス産の字が見えたので、なんだウナギは輸入か、と思ったら輸入してい入るのは炭だった。さすがに備長炭というわけには行かない。そこまでだとこの値段では食べられない。
年老いた老夫婦がやっていて、近所のおばさん達が手伝っているという感じの店なので、いつまでもつかと思っていたが、前回息子さんなのか、見習いみたいに手伝っている人がいたので、ナイスリーに店が継がれるといい。